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朝ドラ舞台地を巡る東北の旅 Vol.2「おかえりモネ」気仙沼市&「エール」福島市
港町気仙沼と果物といで湯の町福島の二つの魅力を楽しむ
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目次
「あまちゃん」の久慈から「モネ」の気仙沼へ
三陸自動車道で岩手県を縦断
前回の記事「あまちゃん」の久慈市&「おかえりモネ」の登米市に引き続き
朝ドラ舞台地を巡る旅、第二弾は、気仙沼市と福島市です。
前回ご紹介した「あまちゃん」久慈市は三陸海岸の北端、そして「モネ」の気仙沼は南端。この両市の距離は直線で190キロもあります。ドライブの場合、国道45号 と 三陸自動車道を使って一直線ですが、途中休憩など入れると3時間ほどかかります。いかに岩手県が広いか(南北に長いか)を実感すると思います。
とはいえ三陸海岸のビュースポットが随所にある三陸自動車道は快適なドライブができますので、きっとそこまで遠さを感じない方も多いでしょう。
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久慈市周辺の海。場所によっては三陸鉄道も見ることができる。
グローバルな海の町
同じ三陸の町でも久慈と気仙沼が全く違うのは、やはり気仙沼が漁港の町だということに尽きるでしょう。それも養殖、沿岸、沖合、遠洋と、4つの漁業の全てが行われている、日本でも有数の水揚げを誇る大漁港なのです。国内では陸の孤島と言われ、仙台からも2時間かかるアクセスの悪さですが、遠洋漁業の拠点となっているため、海路では孤島どころかメインストリートなのです。海外を含む船の停泊地になっているため、来るもの拒まずのグローバルでオープンな地域性を持つ、東北にありがちな「閉鎖性」とは無縁の町です。
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遠洋漁業の重要拠点である気仙沼には常にたくさんの船が停泊しており、海外の船も多い。
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朝7時の気仙沼市場。建物の2階から水揚げやセリの様子を自由に見学できる。
「おかえりモネ」のモネの実家永浦家は牡蠣養殖を営む家という設定ですが、藤竜也さん演じる祖父は、かつてマグロ船、つまり遠洋漁業をやっていたということが会話の中によく登場しています。モネの幼馴染の永瀬廉さん演じる「りょーちん」も、父のあとをついで漁船に乗っています。遠洋漁業の船は世界中の魚場を回るため、漁師さんたちは何ヶ月も帰って来れないというハードな仕事として知られ、それは今も変わりません。
水揚げ日本一の「メカジキ」グルメ
気仙沼は、メカジキ、カツオ、サメの水揚げ日本一を誇っています。特にメカジキが有名で、全国シェア66パーセント(※)と圧倒的。淡白すぎない白身でリーズナブルなメカジキは料理に使いやすく、メカスキ、メカしゃぶ、メカステーキやメカカレーなど、メカジキを使ったメニューで街全体で「メカジキ」を盛り上げています。
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「道の駅大谷海岸」内のレストランで人気の「メカトロ定食」(1500円)。メカジキステーキにガーリックバターのソースでボリュームたっぷり。
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メカジキは英語で「SWORD FISH(刀の魚)」。その名の通り硬く鋭いメカジキの「吻(ふん)」飛ばれるツノ状の部分は、甲板を突き刺してしまうほど。メカジキ漁がいかに大変かがわかる。
まずは「海の市」を目指そう
2011年の東日本大震災で、気仙沼は津波に襲われ、2000名を超える死者、行方不明者を出すなど甚大な被害を受けました。
しかしその後復興が順調に進み、街の中心部の商業施設も整備され、新しさを感じる街になっています。
気仙沼に着いたら、まずどこに行けばいい?と迷う方も多いと思いますが、まずいくつかある情報発信スポットを訪れてみてください。事前にネットで情報を得ていても、現地ではまた違った「面白いところ」「食べたいもの」が見つかるはず。
気仙沼の観光案内サイト「気仙沼さ来てけらいん」をご参考にどうぞ。
「おかえりモネ」の舞台・気仙沼 ここを目指そう!案内・展示スポット!
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画像引用:気仙沼さ来てけらいんWEB
特におすすめは、気仙沼の中心部「海の市」内にある気仙沼市観光サービスセンター。この「海の市」には魚屋さんや土産物屋さん、レストラン、海をテーマにした博物館(「氷の水族館」「シャークミュージアム」)などがあるシンボル的なスポットになっています。隣は気仙沼市場で、建物同士が中でつながっています。
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画像引用:気仙沼さ来てけらいんWEB
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1階のお土産物屋さんには、キャラクター「ホヤぼーや」や、人気のサメグッズも。
気仙沼に来たらやっぱり魚を買いたい!という方には、1階の「阿部長」さんがおすすめです。気仙沼名物のホヤ、牡蠣、ホタテなどはもちろん、巨大なマグロのカマやサメの心臓「もうかの星」など、気仙沼でしか見られない魚の部位もたくさん。マキとチヒロの初期の動画でもご紹介しています(1:10ぐらいから)
また、2階にあるUMI-ICHI ホヤぼーやホールでは、「おかえりモネ」展が現在開催中。「モネなりきりフォトスポット」や「等身大パネル」の展示など、すべて写真撮影可能で、「おかえりモネ」の世界に浸りたい方はぜひ。入場は無料、ドラマ放送終了まで開催を予定しているとのことです。
モネファンなら必ず行きたい「気仙沼大島」
牡蠣養殖を営むモネの実家のある場所は、市の中心地からだいぶ離れた「大島」(ドラマでは「亀島」)にあり、モネや家族がフェリーで移動しているシーンがよく出てきます。気仙沼大島は、陸中海岸国立公園の中にある海と緑に恵まれた離島なのです。
東日本大震災で一時島が孤立したことから本土とつなぐ大橋の工事が進められ、2019年に開通し、車で移動ができるようになりました。名物だったフェリーも定期運行が停止し、現在は観光船としてベイクルーズが楽しめるようになっています。
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大島汽船の観光船「ファンタジー号」
フェリーを運行している大島汽船さんのホームページに大島観光について詳しくありますのでチェックしてみてください。
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画像引用:大島汽船
大島に観光スポットはたくさんありますが、ぜひトライしていただきたいのは、亀山登山。頂上まで登ると、360度のビュースポットで気仙沼全体を見渡すことができるのです。登山といっても、途中まで車で行けますので足に自信がない人でも大丈夫。
山頂に行く途中、牡蠣の養殖が盛んな唐桑半島との間の内海(「大島瀬戸」と呼ばれるそうです)を眺めることができます。モネのおじいちゃんが仕事をしているのもこの辺りかな。。。と想像してみると、舞台地巡りも楽しくなります。品質が高いことで知られる「唐桑の牡蠣」は、気仙沼市内でも希少品として売られています。
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奥に見える「牡蠣筏」の群れ
もし本格的に牡蠣に興味を持ったら、牡蠣漁師さんの仕事を体験できるツアーもありますよ。
気仙沼土産がなんでもそろう道の駅「大谷海岸」
大島から市の中心部に戻る途中にあるのが、今年オープンしたばかりの道の駅「大谷海岸」です。
品揃え抜群の名産品のショッピングが楽しめるほか、レストランとテイクアウトのカフェコーナー、2階にはオープンテラスもあって、ソフトクリームやコーヒーを持ち込んで海を見ながらカフェタイムができるなど、今や気仙沼の人気スポットの一つとなっています。
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海が一望できるテラスはカップルやファミリーに人気。
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テイクアウトの「はまカフェ」はソフトクリームやスムージーなどが楽しめる。
イケスもある海産物コーナーでは近くの港で水揚げされた魚が「漁師さん価格」で並んでいます。魚好きの人にはたまらない場所ですね。
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なんと一匹200円のカレイ。値段は漁師さんがつけるので、市場価格よりかなり安い場合が多い。
海産物をつまみにできたての生ビールが飲める穴場スポット
せっかく港町に来たのだから、他では味わえない魚の楽しみ方をしたい!
と思う方も多いと思います。そんな方にオススメなのが、商業施設「拓 ヒラケル」の中にあるイートインスペース。
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画像引用:気仙沼さ来てけらいん
こちらには魚屋さん「やまひろ」と、クラフトビールの「Black Tide Brewing(ブラックタイドブリューイング)」が入居しているので、イートインスペースではその両方を楽しめるというわけです。
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その日に水揚げされた魚が並ぶ生鮮コーナー
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ブラックタイドブリューイング(BTB)の醸造所兼店舗
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BTBはたくさんある種類からその場で注いでもらえる。
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こちらがイートインスペース。左がBTBのクラフトビールバー、奥が魚屋さん
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ウニ、マグロ、イカを魚屋さんで買って、生ビールとともに。最高です。
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BTBのビールはおしゃれなデザインが特徴。たくさんの種類がありデザインも全て違うので、カンを集めている人も多い。
今や気仙沼を代表するブランドと言っても過言ではないBTBですが、先日の記事でお伝えした通り、福島と気仙沼の舞台地コラボの流れで、福島の桃を使ったBTBのクラフトビールが完成しました。
【朝ドラ舞台地コラボ】福島の桃を使ったクラフトビールが気仙沼で完成!
しかしクラフトビールはひと樽ごとの売り切りなので、なくなり次第終了なのです。福島の桃のビールと気仙沼の魚を合わせたい!という方は、少し急いだ方がいいかもしれません。
「エール」の舞台地 &くだものの町福島市へ
気仙沼→福島の旅をおススメする理由
さて、四市連携・朝ドラ舞台地巡りもいよいよ最後の目的地へ。
気仙沼から福島に来る場合は、車で約3時間。電車だとJR大船渡線 一ノ関行に乗り、一ノ関から東北新幹線で1時間弱、合わせて2時間半で着きます。
決して近くはありませんが、気仙沼で魚や海をたっぷり楽しんだ後、福島で桃やなし、ぶどうなどのバラエティ豊かな果物と果物を使ったデザートを楽しんでいただくことができますし、もちろん、じゃらん満足度一位の「高湯温泉」など豊富な温泉で最後に旅の疲れを癒していただくことができます。「海の町」「山の町」の対比的な魅力は旅の醍醐味でもありますね。
祝【高湯温泉】じゃらん「全国温泉地満足度ランキング2021」全国1位獲得 !
さらに、気仙沼市と福島市は観光でもコラボレーションをしていて、また、現在開催中のキャンペーン「福島ふりかエール旅」では、気仙沼から福島市への旅行者の方にはカード提示で特典をご用意しています。(キャンペーン終了)
舞台地としての福島市
福島市が生んだ昭和の偉大な作曲家・古関裕而氏をモデルにした「エール」の舞台です。
エールを巡る旅については、観光ノートのこれまでの記事に詳しくありますのでぜひご覧ください。
【朝ドラエール特集】古関裕而さんゆかりの観光スポットまとめ【一部終了】
映像と音声が流れるARスポットも登場!「古関裕而ストリート」の楽しみ方
まずは「西口観光案内所」へ(現在一時閉鎖中)
現在はコロナによるまん延防止等重点地域の措置のため、9月12日まで閉鎖をしておりますが、JR福島駅西口目の前にある「福島市西口観光案内所」は、古関裕而関連、エール関連はもちろん、温泉やグルメに至るまで、福島の旅のプロであるコンシェルジェが皆様のサポートをいたします。ぜひ、お気軽にお声をおかけください。
それぞれの魅力を持つ舞台地を巡る旅、いかがでしたでしょうか。ドラマの世界観を感じながら巡る「朝ドラテーマの旅」をこれからの旅のプランに加えてみてはいかがでしょうか。
ご紹介した舞台地のドラマに纏わるスポットをマップでご紹介!旅の参考にどうぞ。