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朝ドラ「エール」に登場の福島完熟りんご。蜜入り「サンふじ」は今が旬!
酸味があって蜜たっぷり。福島の「サンふじ」が美味しい理由
11月19日、NHK朝ドラ「エール」から「おちょやん」へのバトン式が行われました。
その時に「エール」の窪田正孝さんが「おちょやん」の主人公、杉咲花さんに渡したのが福島の大きな完熟りんご。
桃が有名な福島ですが、実はりんごもすごく美味しいのです。福島の完熟蜜りんごはふるさと納税でただいま大人気です。
大人気のりんご品種「サンふじ」
真っ赤に色づいたりんごは福島の秋の風物詩。特に蜜がたっぷり入った「サンふじ」は大人気の品種です。
NHK朝ドラ「エール」でも、主人公の弟・古山浩二(演・佐久本宝さん)がまき子(演・志田未来さん)にプロポーズをするのが赤く色づいたリンゴの木の前。
来年もその先も、リンゴの花が咲くのを一緒に見ようと約束をした2人。
リンゴ農園で🍎📷✨#朝ドラエール#佐久本宝#志田未来 pic.twitter.com/oGPSmmfrwH
— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) November 13, 2020
結ばれた二人から主人公・古山裕一(演・窪田正孝さん)に送られたりんごの箱には「福島から全国へ りんご農家若夫婦の夢」という新聞の切り抜きが入っていたのが印象的でしたが、まさに今福島のりんごが全国へ旅立っているところなんです。
ちょうど収穫の最盛期を迎えた「サンふじ」がなぜ赤いのか、なぜ美味しいのかご紹介しましょう。
福島市飯坂町東湯野の果樹農家「鈴木農園」の鈴木陽子さんにお話を伺いました。
「ふじ」と「サンふじ」の違いって?
りんごの品種にはさまざまなものがありますが、代表的なものに「ふじ」と「サンふじ」があります。でもこの二つは実は大まかにいうと同じ品種なんです。
何が違うかというと、袋をかけて栽培したもの(有袋)が「ふじ」。袋をかけずにさんさんと降り注ぐ太陽の光をいっぱい浴びて育ったのが「サンふじ」。「サン」は「SUN(英語で太陽の意味)」なんです!
「ふじ」と「サンふじ」の違いをまとめてみました。
品種 | サンふじ | ふじ |
---|---|---|
栽培方法 | 無袋栽培 | 有袋栽培 |
特徴 | (メリット)味の良さ(甘みと酸味のバランスが良い) (デメリット)傷がつきやすく、ざらついた見た目になりやすい |
(メリット)傷がつきにくくツヤのある真っ赤な見た目 (デメリット)味がやや劣る、農家としては袋の取り外しの手間がかかる |
確かに、サンふじは触るとちょっとザラザラする感じがしますし、ちょっとタテジマが入っているような見た目です。鈴木さんによると
「シマがあるものは赤くはなりにくいけど美味しいんですよ。」
とのこと。また表面がなんとなくベタついているのは、ワックスをかけているのではなく、りんごが熟すると内部から不飽和脂肪酸が湧き出してりんごの表面の「ロウ物質」を溶かすからなんです。ベタついているのは、食べ頃のサインなんですね。
サンふじは「手間のかかるかわいい子」
「無袋栽培だと袋掛けの手間がないから楽ですか?」と鈴木さんに聞いてみると、
「そんなことないです。赤くて美味しいりんごをつくるには、いっぱいお世話をしなくちゃならないんですよ。」と言います。
鈴木農園では、剪定 → 花粉交配 → 一輪摘花 → 摘果 → 葉摘みなどの作業を丁寧に、りんごと対話するようにして行っているそうですが、見慣れない名前の工程があるので解説しましょう。「一輪摘花(いちりんてきか)」とは、りんごの花は束になって咲くので、そのうち真ん中の花を一つ残して摘み取ることです。かわいそうなようですが、1つの花に栄養分を集中させることで美味しいりんごが生まれるのです。
また「葉摘み」は、りんごの実に太陽の光をたっぷり当てるための作業です。そうやって太陽の光をいっぱい浴びるから美味しくなるのね!というとそういうわけでもありません。葉はりんごの実にとってとても重要。葉が太陽を浴びて光合成をするから栄養がりんごの実に運ばれていくわけで、葉をみんな摘んでしまったら美味しいりんごはできません。そこで葉を摘む量を最低限にし、摘む時期も遅らせるなどして味を良くする工夫をしているそうです。
葉を1枚摘むのも慎重にする、そんな手間暇をいっぱいかけて育てたからこそ「サンふじ」は美味しくなるんですね。
盆地特有の寒暖差が生み出す「蜜」
りんごを切った時に中心に見える透明な部分を「蜜(みつ)」といいます。りんごが充分に甘味を蓄えて熟した証拠、それが「蜜」なのです。
りんごは太陽の光を浴びてでんぷんを作り、それが「ソルビトール」という糖アルコールに変わって甘味の素となりますが、りんごが熟してそのソルビトールが増えると糖に変わることができなくなって細胞の隙間にたまって水分を引き寄せます。それが「蜜」です。
確かに蜜入りのりんごは甘いのですが、実は「蜜」自体はほとんど甘くありません。果実がとても甘いのです。また完熟していて水分が多いため、保存には向きません。新鮮なうちに食べるのが一番美味しい食べ方です。
そして鈴木さんによると「寒くならないと蜜は入らないんですよ。何回か霜が降りたころが収穫時ですね。」とのこと。
秋晴れの昼間に太陽の光をいっぱい浴びて、朝晩の冷え込みがきつくなる11月中旬~下旬(年によっては12月になることも)が「サンふじ」の収穫時。盆地で霜が降りやすく、寒暖差の激しい福島の気候が、甘味・酸味・ほんの少しの苦みという素晴らしいバランスの「サンふじ」を生んでいるのです。
福島市のふるさと納税で「サンふじ」が選べます!
福島市のふるさと納税でもサンふじは大人気です。ふるさと納税なら節税もできるのでお得ですよね。
贈答用の商品なら3キロ8000円、5キロ12000円など価格帯がいろいろ選べます。
お得な家庭用もありますのでぜひご覧ください。
※2022年度は6月に降ったひょうの被害を受けた傷ありりんごの家庭用もございます。
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手間暇をかけて育てられ、福島の気候が生んだ旬の「サンふじ」は格別です。ぜひ一度食べてみてください。
【取材協力】鈴木農園
【取材・写真】佐藤いく子
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