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「ピンチをチャンスにプロジェクト」成果品お披露目会レポート
市内事業者×フリーランス 朝ドラ『エール』の世界を彩り豊かに発信
全国のフリーランスと市内事業者をマッチングして朝ドラ『エール』に関連する商品などを生み出す、福島市「ピンチをチャンスにプロジェクト」(通称「エールプロジェクト」)。今回は成果品の一部をご紹介しながら、8月3日に開催されたお披露目会の様子をレポートします。
コロナ渦の中で着々と進められたプロジェクト
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける市内事業者と全国のフリーランスを支援するため、福島市が企画、観光コンベンション協会が協力したこのプロジェクトには、市内33事業者、デザイナーなど23名のフリーランスが全国から参加。33の商品が出そろいました。
3月末に開始したプロジェクトでしたが、新型コロナによる緊急事態宣言で一時中断。5月の連休明けに本格始動しましたが、当初予定していた訪問による指導ができず、「ズーム」「チャットツール」を使ったオンラインでの進行となりました。最初はオンラインでのやりとりに戸惑う事業者の方もいたとのことでしたが、すぐに慣れてプロジェクトは着々と進んでいき、この日を迎えました。
朝9時、木幡市長の挨拶からスタートしました。
午前の部はテレビ2社含め、メディア取材が行われました。
すべてのブースを回り、事業者の皆さんと話をする木幡市長。売り方のアドバイスも。
福島の食の魅力をそれぞれの形で表現
桃の加工品などを手掛ける「ももがある」は、フリーランスの天谷窓大さんとともに新商品『食べるドラマBOX ~福島からのエール~』を開発。
朝ドラ『エール』の主人公、古関裕而が愛したふるさと福島の豊かな風土と農家が心を込めて作ったおいしい野菜や果物。「ももがある」の齋藤由芙子(さいとう・ゆうこ)さんも、このおいしさをもっとたくさんの人に知ってもらいたい、とずっと思っていたそうです。
このピンチをチャンスに変えて、以前からやりたかったことをかたちにした齋藤さん。笑顔でイキイキと商品について語っている姿が、とても印象的でした。
はみんぐハート株式会社「はみべん」と料理研究家・中村美紀(なかむら・みき)さんのプロジェクトでは、エールの世界観を伝えるお弁当ができあがりました。
「はみべん」は昨年秋に福島市で行われた「エール」の撮影でロケ弁を提供。今回は菊池桃子さん演じる「古山裕一」の母「マサ」さんをイメージした「マサさんのエール弁当」が成果品として展示されました。福島の食材を活かし、おかずがたっぷり入った元気が出そうなお弁当です。
フランス仕込みの本格洋菓子で人気上昇中の「パティスリーエクロール」とローカルフードデザイナー・坂本貴秀(さかもと・たかひで)さんのペアは、音符をモチーフにした県産米粉を使ったクッキー「クレ・ドゥ・ソル」の店内用POP作成や販売アドバイスを。
飯坂町でラジウム玉子を製造する「岩城屋米穀店」とデザイナー・齊藤理(さいとう・おさむ)さん。ポップでかわいらしい巻紙と包装紙が誕生しました。ガラッと印象が変わっており、福テレのニュース番組でも取り上げられました。
ドラマの世界観を女性向け商品に
会場では女性向け商品も目を引きました。一般社団法人「手づくりマルシェ」は、ディレクションやデザインを担当した大竹愛希(おおたけ・あき)さんとともに、新ブランド『re:tro』(リトロ)で革小物のポーチを製作。
着物地を使った小物など女性向け商品を企画販売する「サチ子の貸衣装」がデザイナー田中さんの力を借りて制作したのが音符と花をデザインした手ぬぐい(手前)。鮮やかな紫の大胆な柄が印象的でした。
ランチは、会場の「クーラクーリアンテ」(旧サンパレス福島)で提供されている「エール御膳」。古関裕而氏の好物とされる阿武隈の紅葉漬けなど福島の食材をたっぷり味わえます。
「世界にエールを送るまち」挑戦は続く
午後からはバイヤー向け商談会。特産品の販売業や旅行業などが多数参加し、各事業者が商品をバイヤーなどに直接PRしました。
市内事業者同士の交流も盛んで、商品を手に取り意見を交わし、熱気溢れる成果品お披露目会となりました。
全国でも例のない、画期的な取り組みとなった「ピンチをチャンスにプロジェクト」
今回のプロジェクトにおける成果品が、新型コロナウイルス終息後の「反転攻勢」に大きなはずみとなることを願い、「世界にエールを送るまち」福島市の挑戦はこれからも続いていきます。
インタビュー記事もぜひご覧下さい。
【取材/文】福島市観光ノート編集部 三廻部 麻衣