掲載日
昭和レトロな懐かしさに包まれる 飯坂温泉「旅館 小松や」
心まで温まるアットホームなおもてなしと熱いお湯

「旅館 小松や」は、昭和レトロな雰囲気が漂うアットホームな宿。家族経営ならではの温かみが感じられ、どこか懐かしく、ほっと落ち着ける空間が広がっています。
心温まるおもてなしで多くのお客様に愛される旅館小松やの魅力を、3代目の小水崇正(こみず たかまさ)さんに伺いました。
目次
昭和レトロな趣が漂う、温もりあふれる小さな宿
私鉄・福島交通飯坂線の終点「飯坂温泉駅」からほど近い 旅館 小松やは、昭和30年代に向かいの土地で定食屋を営んでいた小水さんの祖父が創業し、以来60年以上にわたり、駅前という恵まれた立地を活かして多くの旅人を迎えてきました。
3代目の小水さんは、幼い頃から布団敷きなどを手伝いながら宿に親しんできました。中学卒業から地元を離れて進学し、東京の大学を卒業後はサラリーマン生活を経験。約5年前にUターンし、現在は専務として、現代表で2代目の父とともに宿の経営に携わっています。
かつては和室にユニットバスを備えた「ホテル小松」として営業していましたが、震災後のリニューアルを機に客室のユニットバスを撤去し、旅館として再出発。より温かみのある宿を目指し、屋号も柔らかな印象のひらがな表記を採用した「旅館 小松や」へと変更しました。
地上5階・地下2階の7階建てというコンパクトな造りの館内は、共有スペースやお風呂には大理石を使用し、昔ながらの旅館の風情を残した昭和レトロな趣が漂います。飯坂温泉街の石畳とも調和し、歴史ある温泉街の雰囲気を存分に楽しめます。
小規模な宿ながらエレベーターも完備しており、年配の方にも配慮した造りになっています。
吾妻連峰や摺上川を望む客室の眺望が魅力

川沿い客室からの眺望
川沿いの客室からは、吾妻連峰や宿の前を流れる摺上川を望めます。時期によっては福島市花火大会や、吾妻小富士に浮かぶ雪うさぎの姿も楽しめるそうです。
最上階の特別室は和洋室と和室の2部屋あります。客室にお風呂はありませんが、地下2階の大浴場でゆったりとくつろげます。

一般客室

特別室
館内全域でWi-Fiを完備。電源タップはUSB対応のものを設置し、PCデスクの無料貸し出しも行うなど、ワーケーションにも対応できる快適な環境を整えています。
また、ビジネス利用向けに、料理を控えめにして料金を抑えたプランもご用意。1週間の連泊をされる方もいらっしゃるのだそう。
地元食材と職人の技が織りなす味わい

夕食の一例
食事は卸市場や八百屋から県内産の食材を仕入れ、二代目代表兼板前が腕によりをかけて調理しています。
メインの肉の陶板焼きでは国産牛を使用。焼き魚や刺身には、新鮮な水産物が水揚げされる福島県の「常磐もの」を取り入れています。
板前特製の茶碗蒸しは、夏には冷製に仕立てるなど、季節ごとの工夫が好評です。椀物は常磐もののメヒカリ南蛮漬けや旬の魚の素揚げなどを提供しています。焼き魚には地元産の桃を使ったソースを添えたり、あんぽ柿の天ぷらを取り入れたりと、板前の技が光る一風変わった料理が並びます。
食事に合わせる日本酒は、地元福島市の酒蔵・金水晶の「摺上川」がおすすめとのこと。飲みやすく、特に女性からの人気が高いお酒です。県産の会津地酒も豊富に取り揃えています。

朝食の一例
朝食には、ラジウム玉子、焼き魚、サラダ、小鉢などが並ぶ、品数豊富な和食膳を提供しています。お米は本宮市の農家から仕入れたコシヒカリを使用。「美味しい」と評判のご飯が進む、日本の定番朝食です。
食事は基本的に会場での提供となりますが、別料金で部屋食にも対応しています。
熱いお湯が自慢! 共同浴場との湯めぐりも

男湯

女湯
飯坂温泉の湯は、無色透明で弱アルカリ性の単純温泉。肌にやさしく、神経痛や関節痛、慢性消化器病、冷え症などへの効果が期待されます。
源泉かけ流しの湯は、湯温44〜45℃とやや熱め。「飯坂温泉=熱いお湯」として知られ、熱めの湯を求めて訪れる方も多くいらっしゃいます。そのため、加水をせずに適温で楽しめるよう、窓をあけ川風で温泉をさましたり、湯量を調整したりといった工夫を施しています。
女性用の内湯には、ベビーベッドやベビーバスを完備。さらに、子ども用のバスチェアやお風呂用おもちゃも揃え、小さなお子様連れでも安心して入浴できる環境が整っています。
共同浴場へのアクセスも良く、気軽に湯めぐりを楽しめるのも魅力のひとつ。「夜は宿の温泉に入り、翌朝6時から共同浴場へ。その後、チェックアウト前にもう一度宿の温泉に浸かる」など、朝晩の湯めぐりを満喫する方も多くいらっしゃるのだそう。
実際に利用されたお客様からは「熱いので長湯はできないけれど、しっかり身体が温まる。汗がなかなか引かないほど」「関節痛が、入浴後に少し楽になった」といった声が寄せられています。
リピーターに愛される気配りと工夫の数々
旅館 小松やは、家族経営ならではの温かみが感じられるアットホームな雰囲気が人気。フロントでは母女将と若女将が笑顔で迎えてくれます。特に母女将はおしゃべり好きで、気さくな人柄が魅力です。親しみやすい接客が、宿の心地良さをさらに引き立てています。
チェックイン時には、お客様一人ひとりの状況に合わせた配慮を欠かしません。例えば、足の不自由な方には、すぐに座椅子を用意し客室へ案内するなど、家族経営ならではのスムーズな伝達と細やかな心遣いが行き届いています。


宿の向かいではコインランドリーを経営しており、大量の洗濯や乾燥にも対応可能です。
学生の合宿や試合での宿泊時には、ユニフォームを洗濯する姿がよく見られます。近隣の宿泊者や連泊のお客様にも好評で、チェックアウト後に洗濯・乾燥をセットし、その間にレンタサイクルで市内観光を楽しむといった活用法も人気です。


「温泉むすめ」飯坂温泉オリジナルキャラクター・飯坂真尋ちゃんの、旅館 小松やオリジナルデザイングッズも展開しています。現在は小松やオリジナルデザイン・若桜ver.の真尋ちゃんのパネルを設置し、各種グッズも取り扱っております。
飯坂真尋ちゃんをきっかけにファンとの交流も生まれ、常連のお客様とは温泉街の若旦那たちと飲みに行くこともあるそう。こうしたふれあいを大切にする宿の姿勢が、多くのリピーターを生んでいます。
ぜひ、老舗旅館ならではの懐かしさと温もりを感じながら、心安らぐひとときをお過ごしください。