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ふくしま乳(NEW)発見! 旅するミルク科学<第1回>

福島市民は牛乳よりヨーグルトが好き⁈ 福島の観光×乳製品×科学のコラボ、お楽しみに!

乳・乳製品のエキスパートである西村順子先生は、現在、日本大学 生物資源科学部 ミルク科学研究室の上席研究員として活躍されています。福島県伊達市出身で、福島大学 食農学類 客員教授も務めており、福島にとてもゆかりのある方です。

福島市で2023年に開かれた「酪農科学シンポジウム」が縁で、福島の旅がもっと楽しくなる「観光×乳製品×科学」のコラボレーション記事をシリーズで執筆いただけることになりました

シリーズ第1回目は、西村順子先生の自己紹介をお届けします。

「ミルヒ・ホルスタイン」こと西村順子先生

皆さん、はじめまして。ハンドルネーム「ミルヒ・ホルスタイン@藤沢」こと、西村順子です。ミルヒ(Milch)とはドイツ語でミルク、ホルスタインはご存じ乳牛のことで、ドイツのホルスタイン地方が原種です。

私は福島県伊達市の出身で、高校まで福島で過ごしました。高校の地理の授業のときは、地図帳を開いて妄想にふけることがあって、とくに北海道の日高あたりをよく眺めていました(ちゃんと授業を聞きなさい!)。
草原に放牧されている馬がのんびり草を食んでいる様子が大のお気に入りで、つい勢い余って、帯広畜産大学に進学してしまいました。

大学生活はまさに、北海道の農業高校が舞台の漫画「銀の匙 Silver spoon」(荒川弘著 週刊少年サンデー〔小学館〕)の生活そのもので、ザ・北海道を満喫していました。

北海道は食材が何でも美味しいのですが、私にはとくに牛乳がおいしく感じられ、福島ではこれといった興味もなくそれほど好きではなかった牛乳が大好きになりました。

大学では、付属農場で飼養している乳牛のミルクを搾って、大学内の施設で殺菌して週に2〜3回販売していたのですが、これが美味しいといったらありゃしない。値段も市販牛乳よりも安かったので、大学生だけでなく近所の主婦の方も購入に来るため、販売する日には開店前から行列ができ、学生 vs. 主婦の争奪戦(笑)。

講義が入っていてどうしても買えないときの敗北感は、本当にやりきれなかったです。たまに午後まで残っていたことがあったのですが、そのときの勝利感は、まさしくバーゲンで自分のほしいものがゲットできたときと同じかと思います。

そんな生活をしているうちに、3年後期の研究室配属の時期になりました。
それまでの実習などで体力的にフィールドワークは無理ということを実感していたため、実験系の研究室の一つである、酪農科学研究室を希望しました。

この研究室は読んで字のごとく「酪農を科学する」研究室で、研究対象はミルクでした。これが大きな運命、もとい人生の分岐点となったわけです。当時はミルクがライフワークになるとは、みじんも思っていませんでした

研究室では学祭に出すアイスクリームを製造して販売していたのですが、余ったクリームを自宅に持ち帰り、本物のクリームシチュー三昧の日々が1週間続くってこともありました。今でもあの味は忘れられません。

北海道から仙台、そして福島へ

帯広畜産大学でそんな研究室生活を送っている中で、卒論指導教員に「卒業後の進路として大学院進学も視野に入れている」と伝えたら、その教員が東北大学農学部卒であったことから東北大学を勧められ、大学卒業後から仙台で生活することになりました。

研究室名こそ「畜産利用学(その後、動物資源化学に変更)」でしたが、基本的には酪農科学です。そこでは学生・職員として26年間、乳・乳製品の研究に携わりました
震災後に学位を取得したのですが、「R-1ヨーグルトに含まれる、体に良い成分を突き止め、どういうメカニズムで良い効果をもたらすのか」という研究内容でした。

その後、八戸で5年間過ごし、令和元年から昨年3月まで福島市内にある福島大学に勤務しました。現在は神奈川県藤沢市にある、大学時代の後輩の研究室(ミルク科学研究室)で、研究生生活をしています。

ということで、専門は乳・乳製品で、乳業用乳酸菌も研究の対象にしています

福島にいたときは、仕事としてあちこちの酪農家を巡ったり、休日には福島オリジナルのチーズやヨーグルト、アイスクリームを食べあさったりしていたのですが、結構クオリティーの高いものが多かった印象です。

福島の地域柄なのか、ひっそりと売っていたりするので「大々的に展開すればもっと売れるのになぁ」と、いつも思っていました。
2022年に酪農科学シンポジウムが福島市で開催されたのですが、全国から来る参加者に福島の牛乳・乳製品を知ってもらいたくて、地元の牛乳メーカーから飲料の協賛をいただき、皆さんから高い評価を受けました。

福島市民は牛乳よりヨーグルトが好き⁈

総務省統計局が公表している2022~2024年の家計調査(2人以上世帯)のランキングにおいて、福島市はヨーグルトが4位、乳製品が8位でした。一方で、牛乳は24位ですので、牛乳はあまり飲んでいないことになりますね。

福島市はヨーグルトの購入金額が全国1位になったこともあります。くだものの産地なので、フルーツと相性の良いヨーグルトを好んで食べているのかも。

余談ですが、納豆の購入金額は福島市が1位です。
福島って発酵食品の食文化がより身近なのではないかと思います。それに加えて、健康に関する興味関心が非常に高い人たちが多いので、それも関係しているのかもしれませんね。

観光×乳製品×科学のコラボ始動!

美味しい牛乳がある福島市をいろいろな面から掘り下げて、福島市の観光につなげられるよう、皆さんに発信したいと思っています。

こんなことが知りたい、こんなことをやってほしいなど、要望があればどんどんお願いします! 「福島市にきてよかった〜」「面白かった〜」と言ってもらえるような情報を提供していければと思っています。

牛乳にまつわるさまざまな企画をゲリラ的に、福島市観光ノートで発信していきますよ。
福島市の美味しい乳製品やグルメを紹介するだけでなく、福島の有名乳業メーカーの牛乳を使った化粧水作りや、福島市屈指の花の名所・花見山の花木を利用したヨーグルト作りなどなど……。

乳製品に関する科学と福島観光のコラボレーションをたくさん考えていますので、次回もお楽しみに!

それでは皆さん、これからどうぞよろしくお願いします!

ミルヒ・ホルスタイン@藤沢(西村順子)

日本大学 生物資源科学部 ミルク科学研究室 上席研究員

ミルヒ・ホルスタイン@藤沢(西村順子)

帯広畜産大学・東北大学大学院在学中より、乳・乳製品の研究に携わるエキスパート。現在は、日本大学 生物資源科学部 ミルク科学研究室の上席研究員として乳製品の研究に明け暮れる日々。福島県伊達市出身で、福島大学 食農学類 客員教授も務めている。福島の旅がもっと楽しくなる「観光×乳製品×科学」のコラボレーション記事をシリーズで執筆中。

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