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福島の地元Webメディアが教える、飯坂温泉「うそかえ祭」の楽しみ方

並ばずに鷽鳥が授かれる裏技をお教えします!

福島市飯坂町にある西根神社境内・髙畑天満宮で毎年行われる「うそかえ祭」は、この祭りでしかいただけない「鷽鳥」を授かろうと、毎年大変多くの方で賑わうことで有名です。
2025年1月27日放送のテレビ番組、テレビ朝日「帰れマンデー見っけ隊」でも、西根神社・髙畑天満宮へ向かう行列や木彫りの鷽鳥が紹介されました。

元来は「大宰府天満宮」で古くから行われていた吉兆を招く伝統的な神事で、時を経て全国へ広がった催しです。
髙畑天満宮では冬(小正月)と春の年に2回行われており、2025年冬のうそかえ祭は1月10日(金)〜13日(月・祝)の4日間開催されました。春のうそかえ祭は、2025年5月3日(土)に開催が決まっています

今回はそんなうそかえ祭について、編集部が深堀りします! 来年使える、並ばずに購入できる裏技なども紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

1年間の厄災や凶事を「嘘」に変えてしまう「鷽(うそ)」

右側が冬に授けられる鷽鳥、左側が春に授けられる鷽鳥(画像提供:西根神社・髙畑天満宮)

そもそも「うそかえ祭」って?

うそかえ祭は、菅原道真公を祀っている神社で行われる神事です。東北・北海道地域では、福島市飯坂町の西根神社境内にある「髙畑天満宮」のみ行われています。

その昔、髙畑の天神様の参拝者を襲った蜂の大群を鷽(うそ)という鳥が食いつくしてくれたことが、うそかえ祭の始まり。鳥の「鷽(うそ)」が「嘘(うそ)」に通じることから、「木彫りの鷽鳥」を授かることで疫病などの凶事を「嘘」とし、吉に「とり」変えてしまおうという願いが込められています。

冬と春で形が異なる鷽鳥!

実は冬と春のうそかえ祭りでは、授けられる鷽鳥の顔や形に違いがあります。冬の鷽鳥は三白眼の目がキリっと災いを吹き飛ばしてくれそうな、りりしいお顔。
春の鷽鳥は、実際神社に飛んでくる鷽鳥をモチーフにしており、翼を広げ、なんとも愛らしいとぼけた表情が魅力。春は限定1,000体のみのお授け、うそかえ祭りも1日のみの開催です。

春のうそかえ祭は、植木・花・野菜の苗等を販売する市が立ち、大勢の参拝者で賑わいます。2025年は5月3日(土)に催されます。

2025年冬のうそかえ祭の様子

鷽鳥はこの御縁日でしか手に入らないことも相まって、毎年大勢の人が吉を求めて訪れ大変混雑します。その数、約15万人ほど。最前列の方は丸一日以上並んだといわれています(2025年の新聞報道による)。

では、実際にどのくらい混雑しているのでしょうか。以下の写真をご参照ください。

境内の外までズラリと続く長い列の写真

鳥居を越えて、境内の外までズラリと続く長い列

参拝者の列(屋台前)
参拝者の列

たくさんの参拝者が並び、賑わっている雰囲気が伝わるでしょうか。行列ができてはいますが、屋台もたくさん並んでいるので、横目で楽しみながら過ごしていると意外とあっという間に時間が過ぎますよ!

おでん屋台
フルーツキャンディ屋台

現在では作り手が不足している「福まさる」などの縁起物も並びます

1月は初詣の時期でもあるので、境内は華やかで活気にあふれています。新しい年が始まるワクワク感がそこら中に満ちていて、行きかう人も心なしか穏やかな表情です。

行列を並んだ先で授かれる鷽鳥は、手のひらサイズの物から大きな物まで5種類用意されます。特大サイズは求める方が多く、数も少ないため、初日の夕方にはすべて飛び立ってしまいます。

木彫りの鷽鳥のほか、常に持ち歩ける携帯・懐中用鷽もありますよ。かばんや携帯電話に付けらられる「ストラップ」「鷽笛」、財布やポーチに入れて持ち運びしやすい「金うそ」が人気。

このようにして授与された鷽鳥に一年間守ってもらい、次の年には感謝を込めて神社に納め、新しい鷽鳥と交換するというのがこの神事の習わしです。

「ハートの石門」や「桃とリンゴの石」で、さらなる願いを叶えよう

ところで今回、記事の冒頭で「西根神社境内・髙畑天満宮」と掲載していましたが、「結局、西根神社なの? 髙畑天満宮なの? ナビをどっちに設定すればいいの?」と混乱した人もいるのでは。

詳しく説明すると、西根神社の境内に、髙畑天満宮(髙畑の天神様)というもう一つの神社があるということ。つまり、ナビや地図アプリはどちらでも大丈夫です。

西根神社

西根神社

西根神社は、伊達・信夫地方の田畑を潤す用水路・西根堰を開削した古河善兵衛重吉と佐藤新右衛門家忠という、地域に多大な功績を残した実在の人物を祀る神社。厄除け・家内安全・合格祈願などのご利益があるとされています。

髙畑天満宮の名は、湯野宇高畑の地に鎮座していることに由来し、江戸時代華道・お作法の大家 茨木峯月によって、京都の北野天満宮より文道の守神として勧請されました。
湯野村の支配が三河国(愛知県)刈谷藩の飛び地支配となり、そのためこの地に湯野陣屋が建てられることになり、屋敷内に祀られていた天満宮を移動したところ、代官や役人が次々に大病に見舞われ、すぐに天神社を元の場所に移し、丁重な祭りを盛大に行い幟を奉納しました。するとたちどころに病も治まったといいます。

明治維新で刈谷藩陣屋が取り壊され、そこに西根神社が建立され、境内社になりました。昭和43年(1968)、社殿の新築移転が行われ、現在も病気平癒・難除け・学問の神様として信仰されています。

髙畑天満宮

必ず立ち寄りたい「一言宮」

さらに、境内にある「一言宮」も忘れずに参拝していただきたいところ。こちらの神様は「一言願えば、いい事にしても、よくない事にしても、良く聞き分けてご利益を授けてくれる神様」といわれています。

目の前にある小さな石門(叶門)を、願い事を一つ(一言)しながらくぐると叶うとされており、一つ叶ったら改めてまた訪れ、再度一つお願い事をすると良いそうです。

こちらが一言宮の叶門

ほかにも、桃とリンゴの形をした「おもかる石」と呼ばれる、持ち上げて神意をはかるための力石が置かれていたり、鷽鳥の授与以外にも見どころがたくさん。

おもかる石

一度持ち上げて重さを確かめた後、願い事をしながらもう一度持ち上げて2回目の方が軽く感じれば願いが叶うという

鷽鳥を並ばずに購入できる冬の裏技!

大勢の参拝者が訪れる、うそかえ祭。縁起物は手に入れたいところですが「小さい子どもや年配者がいて長時間並ぶのは無理」「寒いところが苦手」という方もいるかと思います。そんな方、必見の情報!

ここからは当サイトをご覧の方だけにお教えする、賢く楽しめる方法です。

宿泊プランを利用する

なんと飯坂温泉観光協会では、並ばずに鷽鳥を授かることのできる温泉宿泊プランを用意しています。それが「うそかえ祭と飯坂温泉 宿泊・日帰りプラン」。

木彫りの「鷽鳥」が予約でき、さらに旅館で受け取ることができるというプランです。温泉に宿泊して飯坂を楽しみながら、鷽鳥まで授かれるなんて……!

宿泊プランは8,950円からとリーズナブルなので、毎年恒例の旅行にしちゃってもいいかも!
(春の宿泊プランは未定です)

令和7(2025)年開催のチラシ

飯坂電車を使って移動する

飯坂町の道路は道幅が狭く、一方通行の場所も多々あります。臨時駐車場は設けられていますが、駐車場待ちに長い時間を要します。とにかく大渋滞になるのは有名な話。宿泊を伴わない参拝者は、福島交通飯坂線の利用がおすすめです。

1日乗車券を購入すれば乗り降り自由。飯坂温泉駅から西根神社までは徒歩10分ほど。渋滞のストレスなく参拝できていいですよ。

混雑を避けられる時間帯は?

開催中の4日間(冬)は、参拝者が途切れることはほとんどありません。特に初日は、朝から夜まで大変混雑します。
比較的待ち時間が少なくなるのは、2日目以降の夕方から。福島市の1月はまだまだ寒さが厳しく、冷え込みや積雪があることもありますのでお気をつけて。

飯坂温泉のまち歩きとも組み合わせて

飯坂温泉街からとても近い西根神社・高畑天満宮。温泉入浴とあわせて参拝すれば、気持ちもさらに清々しくなりますね。
高畑天満宮で、一年の無病息災を祈ってみてはいかがでしょうか!

名称 西根神社
ご利益 厄払い・病気平癒・難除け・合格祈願・商売繁盛など
駐車場 あり(約250台・無料)※「うそかえ祭」開催日には臨時駐車場あり
アクセス 【電車】福島駅東口から福島交通飯坂線(私鉄)乗車約25分「飯坂温泉駅(終着駅)」下車、徒歩約10分
【車】JR福島駅から約25分
HP・SNS 西根神社・高畑天満宮
春のうそかえ祭 2025年5月3日(土)

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木俵麻樹子(きだわらまきこ)

レギュラーライター

木俵麻樹子(きだわらまきこ)

福島市出身。郡山市在住。出版社や企業の広報部などで経験を積み、結婚を機に夢だったフリーライターに転身。現在は、県内で販売している福島の情報誌や観光情報WEBマガジンなどにも執筆している。お店や宿の紹介から、住宅関係の記事までオールジャンルの記事に対応可能。パワフルな三兄弟の母として、ママ友もゆるっと募集中♪

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