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福島市を映画・ドラマの聖地に! ロケハンツアーレポ

映像制作関係者と巡る、福島市の秘めた魅力を発見する2日間

2024年8月27日、28日の2日間、福島市内で映画やドラマ・CMなどの映像制作関係者を県外から招き、市内の観光スポットを巡る「ロケハンツアー」が開催されました。

福島市は、美しい自然と歴史的建造物が多く点在しているにもかかわらず、映像制作の舞台としてはまだまだ知られていない、ロケ候補地の隠れた宝庫!
今回のツアーでは、そんな“宝の山”を案内し、彼らの目にどう映るのか、映画やドラマの舞台としてどう活かしていけるかなど、いろいろな意見やアドバイスをもらいました。

この記事では、そのロケハンツアーの様子をレポートし、福島市の隠れた魅力をお伝えします。まだ知らぬ、福島市の新たな一面を発見する機会になりますよ!

「ロケツーリズム」って?

「ロケツーリズム」という言葉は少し聞き慣れないかもしれませんが、これは映画やドラマのロケ地を訪れ、その風景や文化を堪能し、人々のおもてなしに触れることで、その地域のファンになってもらうことを目的とした取り組みです。

近年では、朝ドラ『エール』で水林自然林や福島市民家園が、映画『ゴールデンカムイ』でも撮影に使われたり、バラエティ番組『せっかくグルメ』では福島市の飲食店が紹介されたりしていましたよね!

“映像の中で見た場所に行ってみたい” “あのシーンが撮影されたお店を訪れてみたい”という気持ちを観光に結びつけ、「ロケ地巡り」や「聖地巡礼」として多くの人に訪れてもらうことで、福島市の活性化を目指しています。

ロケハンツアーで訪れたスポットはここ!

参加された菊池淳夫さん、松田義正さん、小田島桃楓さんと、福島市のロケツーリズムに関わるスタッフ

今回、福島市ロケツーリズム推進会議が開催したロケハンツアーには、映画『鉄道員(ぽっぽや)』を制作したことで知られる福島市出身のプロデューサー 菊池淳夫さん、俳優の玉山鉄二さん主演映画『今はちょっと、ついてないだけ』を制作した映像ディレクター・プロデューサーの松田義正さん、そして制作進行(映画撮影の現場で進行をスムーズに進めるためのスケジュールやロケーション管理、スタッフとの連携など)を担当する小田島桃楓さんが参加しました。

このツアーは2日間にわたり、福島市内の10か所以上の多彩なスポットを巡り、それぞれのスポットが持つ魅力や、映像制作でどう活かせるかに焦点が当てられました。ここでは特に印象的だった場所をいくつかご紹介します。

ふくしまスカイパーク

福島市中心部から北西に約10kmの場所に位置し、吾妻連峰が背景に広がる自然豊かな場所にある「ふくしまスカイパーク」。ここは、福島市在住のエアレースパイロット 室屋義秀さんの活動拠点としても知られています。世界のトップを目指すアクロバティックな飛行を間近で見られる「天空の飛行場」は、圧倒的なスケールを持つロケ地として注目されています。

室屋さんが飛行する様子や整備場、滑走路を見学しながら、エアレースや夢を追うパイロット候補生たちの話を紹介すると「ここを舞台にした小説、コミック、映画があればロケツーリズムとして大きなポテンシャルがある」「ワールドワイドなスカイスポーツの拠点なので、ここが福島から世界に向けてのドアと考え、宣伝していくと面白いのでは」と、スカイパークの持つ潜在力に期待を寄せる参加者の方々でした。

スカイパークの詳細はこちら

福島市民家園

江戸時代から明治時代にかけての芝居小屋や商人宿、料亭、板倉、会津地方の民家などが移築復元され、当時の生活様式を実感することができる「福島市民家園」。11万㎡の広大な敷地内に点在する建物は、豊かな自然環境とともに静かな佇まいを見せ、これまでもドラマなどの撮影に利用されてきました。

「個々の建物を単独で使用するだけなら他にもいろいろあるが、ここは集落としてまとまっているのが魅力」「民家園全体を一つの村として見立てることもでき、貴重」と、他との違いを探っていました。

福島市民家園の詳細はこちら

福島県立美術館・図書館

福島市のシンボル信夫山の麓にある福島県立美術館は、地元アーティストの作品から国内外の著名なアート作品まで、常設展と企画展を通じて多彩な展示が行われています。さらに6万㎡の広々とした庭園には、図書館が併設されてるほか、樹木や四季折々の花々、広い芝生や日本庭園、そして美術作品が設置されています。

都会にはこれほど広大な敷地に雰囲気のある建築物はなかなかないそうで「カメラを通して見てみたい」「こんな建築物、公園スペースは貴重」「ぜひ内観・外観含め使いたい」と参加者の皆さん口を揃えて驚いていました。

福島県立美術館の詳細はこちら

飯坂線・桜水駅

運行開始から100年の歴史を誇る、福島市民の生活を支える飯坂電車こと“いい電”。タイムスリップしたかのようなノスタルジックな駅舎、民家の玄関に通じている遮断機のない「マイ踏切」、果樹畑を通り抜ける路線など、福島の日常と魅力が同時に味わえるスポットです。

電車の貸切もできるいい電に「電車、駅舎含めて貴重な存在。電車のシーンはいろいろな作品にハマるのではないか」「ゆったりした速度で、住宅との距離がかなり近いのも珍しい」「電車のホームにある電光掲示板がレトロで素敵、ぜひ多くの人に見ていただきたい」と、とても好感を抱いてくれました。

飯坂電車の詳細はこちら

飯坂温泉街

福島市を代表する温泉地「飯坂温泉」。古くから湯治客を迎えてきた歴史ある温泉街で、江戸時代の趣を今に残しています。温泉街を散策しながら、風情ある街並みとその独特な魅力をご紹介しました。

また、一棟貸しができる元「小瀧館 花静」の宿も見学。

かつての客室や宴会場、料理場や温泉を備え広々とした建物に、参加者の方々は「豪華なホテルから廃旅館としてまで多岐にわたるロケ地として魅力に感じました」「旅館を全部使った企画が作れるし、制作的な面からみても合宿スタイルでできるならかなり良い」と、他にはなかなかない、撮影がしやすい好条件に目を輝かせていました。

磐梯吾妻スカイライン・浄土平・吾妻小富士

スカイライン2

「磐梯吾妻スカイライン」は、福島市北西に位置する全長約29kmのドライブコースで、四季折々の風景が楽しめる絶景スポットです。スカイラインを進むと標高約1,600メートルの「浄土平」、そして美しい円形火口を持つ「吾妻小富士」が姿を現します。

まるでアリゾナ? と思ってしまうような壮大な自然が広がっており、参加者の方々もその景色に圧倒され、SF映画や冒険作品など、非日常的なシーンがここで生まれることを想像していました。

医王寺

平安時代に創建され、歴史的価値が高い建築物「医王寺」。境内にそびえる五重塔や、本堂の荘厳な雰囲気が、訪れる人々に静寂と歴史の重みを感じさせてくれます。

またここは、源義経に仕えた佐藤継信と佐藤忠信兄弟の菩提寺でもあります。兄弟は、義経の身代わりとなって壮絶な最期を遂げ、その忠義は今も語り継がれています。

「“場所”も大切だが、それ以上に佐藤忠信という“人物”をアピールするのも大切」と、これまでと違った角度からの可能性も話されていました。

医王寺の詳細はこちら

ツアーの成果と期待

2日間共にスポットを回った後に、意見交換を行いました。

「福島市は地元なので、紹介されるスポットについては大体知っていると思っていました。ですが、生活者目線と制作者目線では見ている視点がまったく違い、新たな魅力や気づきがたくさんありました。魅力あるスポットはもちろん重要ですが、ロケ地を決める際に同じくらい大切なのが、地元の方々の熱意や誠意です。『このまちに頼みたい、この人がいるからここにしたい』ということも少なくありません。結局のところ、人と人とのつながりが大きな決定要因になることも多いのです」と話してくださった菊池さん。

また松田さんは「多くのドラマや映画では、『日常の風景』がシーンとしてよく使われます。特別なスポットも大事ですが、福島市の日常の暮らし、家、学校、病院といった情報も合わせて発信していただけると、制作側にとっては非常にありがたいです。特別な場所と日常の景色をバランスよくアピールされると、ロケ地としての魅力が一層増します」と話されました。

今回のツアーを主催した福島市ロケツーリズム推進会議の金澤千裕さんは「これまではロケハンの連絡を『待つ』姿勢が多かったのですが、これからは自分たちで福島市の魅力を積極的に発信していきたいと思っています。そのためにも、市内の事業者や行政が一体となって取り組み、ロケを誘致していくことが大切だと感じました」と、今回のツアーを通じて得られた学びや、今後の展望について語りました。

福島市の未来へ向けて

今回のロケハンツアーは、福島市が持つ自然や歴史、そして日常の風景まで、多彩な魅力を改めて見つめ直す貴重な機会となりました。映画やドラマの撮影地として、まだまだ掘り下げられていない魅力もあることを実感し、まずは市民がその価値を再認識し、誇りを持って発信することが大事だと感じました。

そして何より、参加者の皆さんが揃って口にしてくださっていたのが“福島の人の良さ”。参加者の皆さんが「人柄に加え情熱を感じました。ぜひご一緒させていただきたい!」と気持ちを語ってくださっていたのが印象的でした。

映像制作の新たな拠点として、福島市がさらに注目を集め、映画やドラマを通じてその魅力が全国、さらには世界に広まっていく未来が楽しみですね。

あなたもぜひ、この福島の地で新たな発見をしてみませんか?

(関連情報)これまでの福島市内のロケ地

番匠亜沙美

レギュラーライター / 動画クリエイター

番匠亜沙美

仙台市出身。出産を機に時間や場所に縛られない仕事がしたいと、2016年に介護職から一転、未経験ながらフリーライターの活動を開始。2018年に福島市に転居、2020年公募で観光ノートのライターとなる。YouTubeチーム発足後は動画編集やサムネ制作、DTPなど幅広く活動。相手の立場にたった感受性豊かなコンテンツ制作を目指している。

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