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本当は教えたくない! 飯坂温泉の「常宿」なかや旅館

お客さまアンケートで評価が高い福島市内の宿を訪ねる②

福島市観光コンベンション協会では、福島市に宿泊してくれた方々に「ありがとうキャンペーン」というアンケートを実施し、福島旅行に関する調査を行っています。
そのアンケートの「満足度」がとても高い宿ということで、前回は「平野屋旅館」さんをご紹介しましたが、今回はもう1軒、同じ飯坂温泉にある「なかや旅館」さんをご紹介します。

飯坂温泉のシンボル「鯖湖湯」のすぐ近くに位置する「なかや旅館」さん。公式ホームページには「飯坂で一番小さい宿」と書かれています。
8〜9割とほとんどのお客さまがリピーターで「自分だけの宿にしておきたい」とまで言わせる、ファンの多いお宿です。

あえて宿泊できる部屋数を絞り、小規模だからこそできる手厚いおもてなし。すでに常連のお客様でいっぱいのところ、観光ノートで紹介してしまうとさらに予約が殺到してしまうかも……。本当は内緒にしておきたい! でもとってもいいお宿なので皆さんにも知ってほしい!

そんな葛藤をしながら、飯坂温泉の「常宿」にしたい「なかや旅館」をご紹介します。

地元のお客さまに愛される宿

なかや旅館 外観

旅館の奥(写真左に見える曲がり角を右折)がすぐ鯖湖湯という立地

なかや旅館さんは創業明治26年、ご主人の篠木宣彦さんで5代目という、歴史ある温泉旅館です。

若女将の陵子さんは東京出身。昔からずっと旅館の仕事が好きで、東京でも旅館に勤めていましたが「地方暮らしがしたくて」福島に移住。そして福島県内の旅館で働いているときにご主人と出会ったのだそうです。
宿は、ご夫婦と大女将の3人で切り盛りしています。

お客さまの8割〜9割とほとんどがリピーターで、地元(県内、県北の方)の方が特に多く、毎週来られる方や、3連泊される方、何世代にも渡って来てくれる方も多いそうです。地元の農家の方々も多く「雨が降ると(予約の)電話が鳴る」と陵子さん。「行き届くというか、勝手がわかるのがよいと思っていただいているのでは」。

小さい宿だからこそできるおもてなし

フロント前には真尋ちゃんグッズや絵馬が飾られています

館内の様子

小さいけれど、清潔感あふれる明るい館内。
お部屋は、昔の旅館にはよくあった、次のお部屋との仕切りが襖という造りになっています。

陵子さん:お部屋が襖で繋がっていて隣同士になっているので、隣のお部屋を使わず、あいだを開けてご案内しているんですね。なので4〜5部屋しか使わないのです。
お一人のときはお部屋食、お二人のときは隣の個室にお食事をご用意しています。

だからすべてのお部屋を宿泊に使わないのですね。お客さまにとっては、隣は必ず空室で、お食事が部屋食か個室になるので、とても贅沢な空間の使い方といえます。

お部屋の中

宿泊の部屋の隣に用意された食事用のお部屋

長く営業してこられて、部屋数や規模を大きくしようと思ったことはなかったのでしょうか。

陵子さん:考えた時期もあったんですが、やっぱりこのくらいかな〜。少ない人数ですと、やれることが限られていますので。

ある常連のお客さま用に準備されたお部屋。お二人の仲の良さまで伝わってくるよう。

そして、案内していただいた上の写真のお部屋をよく見てください。並んだお布団の位置がずれていることに気づきましたか?

これは、常連のお客様のご希望で「並んで寝たときにテレビが見えなくなるから」奥に寝ても見えるよう、あえてずらしてお布団を敷いているのだそうです。
初めて泊まったときに自分たちで過ごしやすいように布団をずらして使ったとして、次に泊まるときに、何も言わなくてもこうやって用意されていたら嬉しいですよね。また次もここに来よう、そう思うファンが多いのも納得のあたたかな心遣いです。

陵子さん:個々にご希望がありますよね、布団の頭の向きはこちらがいいとか、椅子の位置とか。リピーターさんのお好みやご希望はわかりますので。やっぱりこの人数だから、この規模だからできるというのはありますね。

30分の早起きで、温泉と美味しい食事が楽しめる飯坂温泉

最近はお一人さまや、ビジネス利用のお客さまも増えているそう。

陵子さん:「翌朝30分早く起きれば、温泉に入って布団で寝られ、美味しいお料理も食べられる」と、飯坂温泉まで来てくださるんです。金額もビジネスホテルとそれほど変わらないから、朝30分早起きしてがんばれるなら絶対行きたいと。
飯坂温泉は、温泉地まで電車が走っているというのがやっぱり強みですよね。バスや車じゃないと行けない温泉地も多いですから。

1泊2食つきで、平日1泊9,500円から。同じくらいの料金なら、温泉に泊まってのんびりしたいという方が多いのもよくわかります。

女湯と男湯ののれん
内風呂

お風呂は男女各1つずつで、すぐ近くの鯖湖湯と同じ源泉をそのまま掛け流しです!

ちなみに、なかや旅館さんにはワーケーションプランもあり、プリンターやプロジェクター、ご希望により配信用のカメラなどの貸し出しにも対応してくれるそう。もちろんWi-Fi完備です。

市場で仕入れる新鮮な魚を使ったお料理が自慢

なかや旅館さんはお料理も高評価ということで、詳しく伺ってみました。

陵子さん:旦那さんが東京で10年ほど修行を積んで帰ってきてから、自分たちの代の味になってきて「お料理がいいね」と言っていただけるようになったのはここ10年くらいですかね。クチコミが増え、リピーターさんも増えて……というのがやっぱりここ10年ちょっとくらいでしょうか。
山なのにお魚が多いんですね」なんて言われるんですけど、市場で新鮮な美味しい魚を、自分の目で見て仕入れているのはうちの強みですね。その季節に合ったものをお出しするというのは本人もこだわっています。市場に行って足りなければ、日中も仕入れに行きます。

「お料理は何が出るんですか?」と電話をいただくことも多いけれど、その日の仕入れによって変わってくるのではっきり答えられないのだそう。逆に言えば、その日市場で一番良かったものが出てくるわけですから、当日の楽しみが増えますね!

お食事(夕食)の一例

「『人に言いたくない』ってよく言われるんです」

お客さまからはよく「本当はあまり人に言いたくない。X(旧Twitter)とかでも広めたくない」「自分だけの宿にしたい」と言われるのだと、陵子さんは笑います。

言いたくないその気持ち、よくわかります! ああでもこうして記事にしてしまいました(笑)常連の皆さんごめんなさい。なかや旅館ファンの皆さんのあいだで、上手く予約を分け合って泊まっていただけたら嬉しいです。

福島市に観光やお仕事で来られる方はぜひ、翌朝30分早起きをがんばることにして、いい電に乗って飯坂温泉まで足を延ばしてください。リーズナブルで美味しいお料理とおもてなしが自慢の、昭和レトロな心あたたまる宿が、あなたを待っています。

最後に、仕入れから帰ってきたばかりのご主人の宣彦さんと、陵子さんのお二人で写真を撮らせていただきました。
なかや旅館のXをフォローしている方はご存知かと思いますが、X担当の宣彦さんはバイク乗り(ゼファー)なんだそうですよ! ツーリングで来られた方のバイクは外から見えない奥のほうに駐めさせてもらえるのも、ライダーならではの心遣いで嬉しいですね。

ご主人の篠木宣彦さん(右)と、若女将の陵子さん(左)

住所
福島県福島市飯坂町字湯沢25
TEL 024-542-2582
客室数 8室(4〜5室稼働)
時間・料金

[宿泊]
チェックイン15:00~
チェックアウト10:00

[温泉]
5:00〜24:00まで入浴可能 ※鯖湖湯と同じ源泉を使用

[宿泊料金]
・ゆったりプラン 9,500円~(夕食・朝食付き)
・満腹プラン 12,800円〜(夕食・朝食付き)
・朝食付きプラン 6,200円~(朝食付き)
・素泊まりプラン 5,650円~

HP・SNS 公式ホームページ
X(旧Twitter)
Wi-Fi 全部屋利用可
駐車場 あり(6台)

 

もう一つの「教えたくない宿」

村上瑞恵

レギュラーライター /編集・ SNS担当

村上瑞恵

地に足のついた生活がしたいと、2006年に都内から福島県にIターン。パソコン通信時代からのPCユーザーで、サイト運営やSNS運用などデジタル方面にわりと強いガジェットおたく。地域のICT化推進事業に携わったのち、Web制作会社で観光情報サイトの編集やSNSを活用した販売促進・ファンづくりを担当し、2022年9月に独立。休みの日はカメラ片手にバイクや車で出かけている。

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