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本当は教えたくない! 飯坂温泉の「渋宿」平野屋旅館

お客さまアンケートで評価が高い福島市内の宿を訪ねる①

福島市観光コンベンション協会では、福島市に宿泊してくれた方々に「ありがとうキャンペーン」というアンケートを実施し、福島旅行に関する調査を行っています。
そのアンケートの「満足度」で抜きん出て高い数字を出している、小さな旅館があると聞きました。

正直、施設面ではもっと立派な宿がたくさんある中で、なぜこんなに満足度が高いのでしょうか。その理由を知りたいと取材させていただきましたが、実際に伺ってみて納得です!

小さなお宿ですので、すでに常連のお客様でいっぱいのところ、観光ノートで紹介してしまうとさらに予約が殺到してしまうかも……。本当は内緒にしておきたい! でもとってもいいお宿なので皆さんにも知ってほしい!

そんな葛藤をしながら、飯坂温泉にある昭和の古き良き面影を残す「渋宿」をご紹介します。

昭和レトロな雰囲気がたまらない「平野屋旅館」

飯坂温泉駅前、飯坂温泉波来湯(はこゆ)の真向かいにある、昭和レトロな渋い旅館という表現がぴったりの「平野屋旅館」
ご主人の清野雅美さんで4代目、旅館創業から120年をゆうに超えており、現在の建物は築79年は経っているそうです。
清野さんは高校卒業後、1年間日本料理屋さんで修行したあと、宿を継ぎました。今は奥さんとお二人で宿を切り盛りしていて、料理と接客は基本的にご主人がしておられます。

まずは写真で、平野屋旅館をたっぷりご覧ください。

平野屋旅館の外観

この昭和レトロな雰囲気がたまりません!

廊下を歩いて行くと、湯治場のような雰囲気です。
そして室内には、おばあちゃんが使っていたような鏡台と、窓に面して赤い絨毯が敷かれた「あのスペース」広縁が、なんともいえない懐かしさを醸し出しています。

廊下にかけられたお部屋案内も渋い

昭和レトロな宿にはある、あの「広縁」が


 

内風呂にいたる廊下

こちらは殿方用の内風呂

温泉は源泉掛け流しで、いつでも利用可能です!

YouTubeで紹介された動画が62万回再生とバズる

ごく普通の昭和の旅館に見える平野屋旅館が、YouTubeでバズっていたのをご存知でしょうか。

約3年前に公開された、YAKISHIMA TRAVEL TV 秘境ハンターさんが平野屋旅館さんに宿泊するYouTube動画が、なんと62万回再生と大人気!  愛着を持って「安宿」を訪ねるYAKISHIMAさんも平野屋旅館さんをとても気に入ったようで、半年前にも平野屋旅館を再訪。そのときの動画も35万回再生まで伸びています(平野屋旅館さんの2本の動画はチャンネルの中でも再生数1位&2位なのがすごいです)。

動画へのコメントも「めちゃくちゃ昭和感いっぱいで感動」「日本人に生まれて良かったと思うひととき」「このチャンネルで知り、念願叶って先日宿泊してきました」など大絶賛されています。

実は、清野さんはYouTubeで自分の宿が紹介されていることに、しばらくのあいだ気づいていなかったそうです。

その方は「趣味で録っているんです」って言ってお帰りになられて。
それから何か月かしてから、まったく知らない方からお問い合わせの電話をいただいて。「YouTubeで見たんですけど、本当にあの料金で泊まれるんですか?」って。そのときもピンと来なかったんですね。
そんなことが何度も続いたので、息子に「こういう問い合わせの電話があったんだけど、 なんだべな?」って聞いたら調べてくれて、「こんな動画が上がってるよ」って。
おかげさまで最近は、YouTubeを見たというご年配の方が結構増えましたね。

動画の効果で若い方が増えたのかと思っていたのですが、最近はYouTubeをご年配の方も結構見ているということに驚きます。

食べきれないほどのお料理で、このお値段でいいんですか⁈

「このお料理で、このお値段?」「信じられない」と皆さんが驚く、テーブルいっぱいに並んだお料理の数々。もちろん味も最高と皆さんが口を揃えて言っています。

清野さんは「特別高価な素材を使っているわけでもなく、田舎料理なんですが……」と謙遜されますが、毎日買い出しに行き、野菜を洗い、肉や魚を切るところからすべてご主人と女将さんのお二人で準備。お料理は嬉しいお部屋出しで、一品ずつ清野さんが説明しながら並べてくれます。

最近ではあまり見られなくなったお膳での提供のときは、本膳、二の膳と二つ使用。「今どきこんなのはなかなかないよ」と、特にご年配の方に喜んでいただいているそう。

テーブルにズラリと並ぶ夕食

一人分でこんなに!(お料理は取材時期の一例です)

これだけのお料理が並んで、1泊いくらだと思いますか?

なんと、1泊2食付きで1名様 5,500円! 25年以上前からお値段は据え置きだそうです。しかもゴールデンウィークも年末年始もお盆も同じ料金。いいんでしょうか。

価格設定のせいもあるかもしれませんが、本当に多い方ですと毎月とか、毎週来られる方もいらっしゃいます。なかには、お勤めのあいだは月一回、定年されてからは毎週いらっしゃって、毎週同じ部屋にお泊まりになる方もおられます。あとは福島競馬の開催時期や、年末年始に必ず予約してくださる方とか……。

毎週泊まったとしても月に22,000円。毎日泊まっても17万円くらい(しかも毎日充実した夕朝食付きで、温泉も入り放題)と考えるとすごくないですか⁈ もう平野屋旅館さんに住んでリモートワークしたいくらいです。

実は昔、2年くらいうちに泊まっていたお客さまもいらっしゃいました。あまり詳しいお話は聞きませんでしたが、株とかやっておられたようで、証券会社からの郵便物がたくさん届いていましたね。

郵便物まで転送して2年も泊まる、そんなドラマのようなことも本当にあったんですね!

二人のあたたかい接客にファン多数

ご主人の清野さん

アンケートやクチコミでも、ご主人と女将さんお二人のあたたかなもてなしを絶賛する声が多数寄せられています。取材時に説明を聞きながら館内を歩くあいだだけでも、清野さんの細やかな気遣いを感じました。

普通なら「古かった」などネガティブなクチコミが寄せられることもある宿泊業ですが、平野屋旅館さんには「このレトロな雰囲気を積極的に楽しみたい」とわかって訪ねてくれるお客さまが多いので、とても良い関係が生まれ、広がっています。

うちは私と女房と二人で切り盛りしていて、料理も接客も基本は私がするわけなのですが、お部屋にお食事をお持ちして、お客様と対面でお話ししながらお料理を並べて、そんな 毎日の繰り返しなんですけれど。
だから、求めているところが機能的であったり新しさであったりというところではないお客様が来てくださっているのかな、という感じはします。

住所
福島市飯坂町字十綱町17
TEL 024-542-3227
客室数 10室(6〜7室稼働)
時間・料金

[宿泊]
チェックイン15:00~
チェックアウト10:00

[温泉]
24時間いつでも利用可

[宿泊料金]
・ビジネス:5,500円〜(夕食・朝食付き)
・観光:6,000円〜(夕食・朝食付き)
・素泊まり:3,800円〜

HP・SNS 公式ホームページ
Wi-Fi なし
駐車場 10台あり(無料)
備考 お子さんの受け入れは行っていません。大人向けの宿ということでご理解ください。

 

もう一つの「教えたくない宿」

村上瑞恵

レギュラーライター /編集・ SNS担当

村上瑞恵

地に足のついた生活がしたいと、2006年に都内から福島県にIターン。パソコン通信時代からのPCユーザーで、サイト運営やSNS運用などデジタル方面にわりと強いガジェットおたく。地域のICT化推進事業に携わったのち、Web制作会社で観光情報サイトの編集やSNSを活用した販売促進・ファンづくりを担当し、2022年9月に独立。休みの日はカメラ片手にバイクや車で出かけている。

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