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福島の桃のすべてがわかる! 品種ごとの特徴、選び方、保存方法まで徹底解説
桃についての疑問にお答えする「福島の桃まとめ」
福島は桃のシーズン真っ只中!
福島市がある福島盆地は果物の生産が盛んで、自他ともに認める「フルーツ王国」。特に桃にとっては適地です。
その生産量は全国2位ですが、桃の消費量は断トツの全国No.1! なんと全国平均の約7倍以上の桃を、福島県民は食べているんです。
県外の方々が「桃は高くてなかなか買えない」「美味しい桃に当たったことがあまりない」と、美味しい桃を求めて福島まで桃を買いにいらっしゃるほど、福島の桃は格別です。
ただし、桃はとてもデリケートな果物。指先で表面を押しただけで痕が黒ずんでしまったり、間違った保存方法だとすぐに傷んでしまったりすることも。
今回の記事では、福島の代表的な桃の特徴や、品種による食味の違い、美味しい桃の見分け方、保存方法、切り方まで徹底解説します!
目次
福島の代表的な桃「あかつき」
国内で150品種以上作られている桃。そのうち福島では6月下旬〜9月下旬頃にかけて、およそ60品種が作られています。
Webデザイナーのわたなべまこさんが作成した「桃の家系図」には154品種にもおよぶ桃が紹介されています。
家系図の中心にある「あかつき」は、福島を代表する桃。あかつきを親としてさまざまな品種が誕生しているんですね。
実は「あかつき」が、まだ『れ-13』と呼ばれていた試験栽培中、ある一つの欠点が克服できず栽培を断念する県が続出し、調査研究が打ち切りになるところでした。そのような状況の中、福島県だけがあきらめずに栽培を続け、見事その欠点を克服、今では福島の桃を代表する全国区の品種となりました。
代表的な福島の桃 8品種
品種 | 特徴 | 収穫時期(目安) |
---|---|---|
はつひめ | 香りも良く早生の中では大玉。すっきりりした甘さで果肉が柔らかい。 | 7月初旬頃 |
暁星(ぎょうせい) | 甘味が強く風味も良い。やや小ぶりで果肉はやや硬め。 | 7月中旬頃 |
あかつき | 甘味と酸味のバランスが最高。色づきも良くジューシーでさわやかな香り。日持ちが良い。 | 7月下旬~8月上旬頃 |
まどか | 果肉は硬めだが甘さは抜群。色づきが良く果肉もピンクで美しい。上品で強い香り。 | 8月上・中旬頃 |
川中島白桃 | 果肉はしっかりしていて歯応えがある。果汁がたっぷりで瑞々しく大玉。 | 8月中旬頃 |
黄金桃 | 実が美しい黄色で人気。追熟するとトロッとマンゴーのような食感。 | 8月中・下旬頃 |
ゆうぞら | 果肉は緻密で果汁が多くなめらか。上品な甘さと強い香り。 | 8月下旬~9月上旬頃 |
さくら白桃 | 硬めの歯応えだが糖度が高く甘い。大玉で日持ちが良い。 | 9月中旬頃 |
2024年は猛暑の影響で桃の成長が早く、例年より収穫時期が1週間ほど早くなっています。桃は甘さが増して大きく成長しているようです。
やわ派? かた派? 食感で選ぶ桃の品種
桃が出回る時期になると、福島でよく話題になるのが「柔らかい桃と硬い桃、どっちが好き?」という、桃の「やわ派」vs「かた派」論争です。
一般的に桃は柔らかく果汁があふれ、皮もツルっと剥けるくらい熟していますよね。「硬い桃」と聞くと「それって甘いの?」と疑問に思われる方も多いかもしれません。
でも心配は無用です。福島の代表的な桃は、晩成種になるほど硬くパリパリとした食感が多くなります。硬めでも甘くて濃厚な桃が多いので、以下の「人気の桃品種 食味チャート」を参考に、柔らかい桃が好きな方もぜひトライしてみてください!
硬めの桃は、料理にも向いています。桃とモッツアレラチーズで作る「桃のカプレーゼ」は簡単でとっても美味。
作り方は、適当な大きさに切った桃とモッツアレラチーズを混ぜ、塩、ブラックペッパーをかけ、オリーブオイルで和えるだけ。桃にレモン汁を振りかけると変色を防いでくれますよ!
美味しい桃の見分け方
店頭に並ぶ桃は、果樹農家が食べごろを見極めた品なので、どれを選んでも美味しいはず……。でも、その中でもより美味しいものを選びたいですよね!
そこで、スーパーでたくさん陳列されている桃の中から、美味しい桃を見分けるコツをお伝えします。
桃はとてもデリケートな果物で、指先で表面を押しただけでも痕が黒ずんだり柔らかくなってしまうので注意してくださいね。
スーパーで桃を選ぶときのポイント
かたち | 左右対称で均等に丸い |
---|---|
香り | ほんのり香りが漂っている |
色 | 濃いピンクでお尻(枝と繋がっていた部分)まで色づいている (黄金桃の場合は濃い黄色) |
その他 | ・表面全体に薄くて柔らかいうぶ毛が生えている ・桃の頭にツヤがある ・(確認できる場合のみ)お尻の部分が少し柔らかそうにへこんでいる |
※すべての桃の味を保証するものではありません。あくまで目安としてご覧ください。
桃の食べごろと保存方法
桃を購入してすぐに食べたら硬すぎた、甘みが少なかったという経験はありませんか?
桃はデリケートで足も早い果物のため、基本的には果樹農家が収穫時期を見極めて、熟し切る前に収穫、発送が行われます。鮮度の良い桃は出荷時は硬いため、柔らかい桃が食べたい場合には2日ほど追熟(※)が必要になります。
※追熟とは:果物を収穫後、一定期間置くことで甘さを増したり果肉を柔らかくする処理のこと。
フルーツキャップは外す
桃を購入すると白やピンクのネットに包まれていることがあります。これは桃を輸送中の衝撃から守る緩衝材です。フルーツキャップを付けたままにしておくと、そこから傷んだり、熟しているサインを見逃してしまいます。
追熟をする場合、桃の水分が奪われて乾燥しないよう、エアコンや扇風機の風が直接当たるところ、直射日光が当たるところは避けて常温で保存しましょう。新聞紙で包んで保存すると、エアコンの風が直接当たらないのでいいですね。桃のお尻の部分から柔らかくなっていきます。
冷たい桃が食べたい場合は、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れるのがおすすめ。冷蔵庫で長期間保存すると甘味を感じにくくなってしますので気をつけて。
クール便で桃が届いた場合
クール便で桃が届いたときに、そのまま冷蔵庫で保管してしまい食べごろが分からない方も多いのでは?
硬い桃が好きな方は、桃をラップやビニールで包んで冷蔵庫の野菜室で保存するといいですよ。食べる2時間ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻してお召し上がりください。食べる分だけ冷蔵庫から出しておいて追熟してもいいですね。
冷蔵庫に入れっぱなしにすると、桃の水分が失われ甘味が損なわれてしまいます。できるだけ早めに食べてくださいね。
柔らかい桃といっても、福島の桃は果肉が緻密で硬めの品種が多いですし、晩成種になるほど硬めの桃が多くなります。追熟のつもりが放置し過ぎて腐らないようご注意ください!
直売所から自販機まで、桃の販売スポット
「福島の人たちは、いったいどこで桃を買っているの?」と興味ありませんか?
“果物はスーパーで買う”のが一般的かと思いきや、生産地である福島市にはそれ以外の選択肢がたくさんあるんですよ。
この記事では“福島で美味しい桃が買えるおすすめスポット”を5つ紹介しています。
最後にお店の詳細リンクもまとめていますので参考にしてみてください。
料理のプロに聞く、桃の切り方
桃は真ん中に大きい種があって、どこからどうやって切ればいいのか分からないですよね。
しかも柔らかい桃は切るときに潰れてしまうのではないかとヒヤヒヤしてしまいます。食べる2~3時間前から冷やしておくと多少果肉が引き締まるのでむきやすいですよ!
鮮度の良い桃は皮ごと食べても美味しいです。桃の皮にはカテキンが含まれているので抗酸化作用や殺菌作用が期待できますし、皮と実のあいだが一番甘いといわれています。また、桃の実にはビタミンCやビタミンEが含まれていてお肌をきれいにする働きがあり、食物繊維も豊富。ぜひ皮ごと味わい、栄養と風味を堪能してみてくださいね。
プロの料理人に、桃の切り方を伝授してもらいました。記事には動画も付いているので実践してみてください。何個かむくと慣れてきて上手にむけるようになりましたよ。
時間が経っても変色しない方法
桃はむいて時間が経つと茶色く変色してしまいますよね。むいてすぐ食べられない場合は、レモン汁かグラニュー糖をかけるといいですよ。水で薄めて浸してもいいので、料理の用途に合わせて使い分けてみてください。
また、むいた桃を保存したい場合は、ラップでピッタリくるんで冷蔵庫へ。鮮度は失われていくので早めに食べてください。
美味しい福島の桃を食べよう
桃の生産者は「美味しい」と喜んでくれるお客様の笑顔を楽しみに、桃を我が子のように毎日ていねいに育てています。
桃の品種ごとの収穫時期は短く2週間ほどですが、6月下旬から9月末頃まで、次々と旬を迎える品種を楽しめるのも福島の桃の魅力の一つ。
時期や、果肉の硬さ・柔らかさ、甘味など、食味チャートを参考にぜひ福島の桃をたくさん味わって、自分だけの「推し桃」を見つけてくださいね!