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【特集:ふくしまを盛り上げる人たち】Vol.9 イラストレーター ico.さん

「福島のいいところをイラストで伝えたい!」

福島市内で活躍している人を紹介するシリーズ「特集:ふくしまを盛り上げる人たち」。第9回目となる今回は、イラストレーター「ico.(いこ)」さんをご紹介します。

彼女は、大人の女性なら誰もが知っている大手化粧品会社の広告や、東京都内にある百貨店のイベントでイラストを手がけたこともあるフリーランスのイラストレーター

福島市内にそんなにすごい人がいるの?

そうです。いるんです。びっくりですよね!
皆さんが驚くのも無理はありません。東京で活動していたico.さんが、福島市内で本格的に活動し始めたのはここ2~3年の話ですから。
どのようなイラストを描いているのか気になりますよね。この記事を読んでいる皆さんは、実はこれまで何度も目にしています。

今日は、そのようにいろいろと気になるico.さんを深堀り!
なぜ福島市で活動しているの?」「そもそも、イラストレーターとは何ぞや?」など、根掘り葉掘りインタビューしてきました。フリーランスに興味がある人にも、福島が大好きな人にも役立つヒントがあるかもしれません。ぜひ最後まで読んでくださいね。

【お知らせ】 8月31日(土)〜9月1日(日)、福島中央テレビ「24時間テレビ47」14:30〜福島放送枠に、icoさんが出演されるそうですよ!

ico.さんとは

「ico.」の名前で活動しているイラストレーター、物江麻衣子さん。出身は宮城県名取市。2017年から福島市に居住しています。
そんなico.さんの作品がこちら!

「よく見るやつ~!」

そうです。皆さんご存じ「ふくしまピーチホリデイ」のメインビジュアルはico.さんが手掛けたもの。ほかにも……

図鑑の中身をチラっとお見せします(表題の妄想が空想に変わります)

桃を擬人化して紹介している『ももまみれ図鑑&MAP』

福島駅西口「観光案内所」にあるご当地スタンプ

このような、福島市と縁のある大きな仕事をしています。

では、そもそもico.さんとはどんな人物なのでしょうか? ここからはインタビュー形式でお楽しみください。

東日本大震災を経て運命が動き出す

——これまでの経緯を教えていただけますか?

宮城県名取市出身で、芸術系の大学に入学し、地域の魅力を発信する「地域デザイン」を学びました。卒業後は仙台市内のデザイン会社に就職。そこで数年間グラフィックデザイナーとして働いていましたが「グラフィックのような1mm単位の仕事は自分に向いていない。イラストの方がいい」と退職を決意しました。

そして退職届を書いているときに、東日本大震災に遭いました。名取市に住んでいたんですが、実家も流されて急に身一つになってしまって。

——その後、どうしたのですか?

東京に妹がいたので、2011年8月に上京。当時、いろんな民間企業や個人の方が部屋を提供してくれていて。3件ほど仮住まいさせていただきました。
すると、提供者のご夫婦がお二人ともたまたまフリーのライターさんで。その方に紹介してもらったりして、イラストの仕事を5年くらい。大手とのお仕事もその頃です。そのご夫婦や大学の先輩・後輩が話を持ってきてくれて。いつもなんだかんだで応援してもらっていました。

——素敵な出会いがあったのですね

はい。本当にたまたま。そして、2016年宮城県に戻りました。福島とのつながりが濃くなってきたのもその頃です。仲の良い後輩が福島市に住んでいて。遊びに行ったときに夫と出会って、結婚を機に福島市に移り住みました。

——福島にはどのようなイメージを持っていましたか?

私は当時、がむしゃらで。ニュースやTVは誰よりも見ていなかったと思います。福島には後輩がいたので、震災前からよくラーメンを食べに行っていて。震災が起きてからもイメージは特に変わることなく、私にとって身近な場所という感じ。そんなふうに親近感を持っている福島市だったので、移住もすんなりでした。

イラストレーターとして福島で活躍

——いよいよ福島市で活躍が始まるわけですね⁉

とはいえ、最初はイベントのチラシの挿絵をしていたくらいでした。パソコンがあればどこでもできるので、仕事はほとんど東京時代からのもの。

一人でする仕事だから家から出ないし、引きこもって絵だけ描いている毎日。外に出るといえば、徒歩圏内にカラオケ屋とミスタードーナツがあったので、一人カラオケか朝ミスド。一人を満喫していました。福島っぽいことは、夫と行く飲み歩きくらい(笑)。
海の近くで生まれ育ったけれど、福島で食べる魚とお酒は本当においしくて感動! そんな感じでのんびり過ごしていました。

——福島のお仕事はどのようなきっかけで始めたのですか?

きっかけは、福島市で転入女性のサポートをしている「tenten」のパンフレットを見たことです。「移住者コミュニティがあるんだ」とtentenの集まりに参加。そこで福島テルサの市民ギャラリーを教えてもらって、防災マップを作っている方に出会いました。自分の体験が役に立てば……と、防災イラスト展を開催することに。

その後、福島市観光ノートの前編集長・熊坂さんに出会って、福島市のお仕事をご紹介いただくようになりました。

——ico.さんには「ピーチホリデイ」「アップルホリデイ」「軽トラ市」などなど、私たちも大変お世話になっています!

おかげさまで「イラストを描ける人がいるんだ」と広く認知していただけたみたいで、消防系や地域のマルシェ、商工会議所など、幅広くお声がけいただくようになりました。

当サイト担当ライターの名刺もico.さんデザイン

福島市「軽トラ市」メインビジュアル(icoさんインスタより)

福島市「軽トラ市」メインビジュアル(ico.さんInstagramより)

人との出会いに恵まれ、どんどん活動範囲を広げていくico.さん。

さて、次は彼女のライフワークともいえる、もう一つの活動について聞いてみました。

大切なことを知ってほしい! イラストで伝える防災情報

——先ほども話に出た、防災展について教えてください

東日本大震災もそうですが、私、福島に引っ越してきてからも災害に遭っていて。短期間の間に二度も避難するほどの災害に遭うという……。

——2019年の、令和元年東日本台風ですね?

そうです。マンションの1階に住んでいて床上浸水。夜、寝ようと思ったときでした。避難のアナウンスが鳴っていたかもしれないけど、雨音でまったく聞こえなくて。近くの川が決壊して、10分くらいであっという間に水没しました。

私は一度震災を経験しているので、予備知識も防災意識もあって、ここが危険箇所だというのはハザードマップで知っていました。非常用バッグとノートパソコン1台を持って、浸水前になんとか上層の外階段に避難できました。

普段から防災意識を持つことと、万が一に備えて非常用バッグを準備しておくことは大事だなと実感しました。

——非常用バッグの中身で最も役に立ったものは?

私の場合、アルミブランケットでしょうか。パソコンにグルグル巻きにして持ち歩いたり、シート代わりに敷いたり、保温にも使えるなど、三役こなしてくれました。あとは、キャンドル型のLEDライトも役に立ちました。

「もしもすごろく」クリアファイルのイラスト

「もしもすごろく」クリアファイル。サイトで販売し、売上金の一部を団体に寄付している

——防災士としても活動しているそうですね

現在、全国的にも女性視点での防災ニーズが高まってきていますが、まだ女性で防災に関する発信をする人は少ない。女性視点で語れる人も、アドバイザーも少ないというのが現状です。私が自分の被災体験をイラストでわかりやすく伝えることで、見た方が自分事として考えてくれればうれしいです。

二度に渡る被災経験と、それを裏付ける正しい情報。防災士の資格は、その情報に説得力を持たせるためのものとして取得しました。

——チャリティー活動もしていると伺いました

オンラインショップ「molico」を立ち上げ、オリジナルデザインのポストカードやトートバッグなどを販売しています。売上の一部は災害復興支援金や福島市の子どもの自立支援の活動団体に寄附イラストで復興に貢献できればいいなと思っています。

ico.さんの「防災ポートフォリオ」(漫画)

ico.さんの想い

——大切にしていることは何ですか?

人との出会いです。基本的にいつも一人で仕事をしているから、人と交流するのがありがたい。なので、どんな話も基本的には断らないようにしています。

イラストって、相手が求めているものや、やりたいことを達成するための伴走だと思うんです。いいものなのに上手くPRできない人もたくさんいます。なるべく人に出会って「お困りのことはありませんか?」と…。直接聞いているわけではありませんが、そんな気持ちで、困ったことがあればイラストで解決できないかなと提案したりしています。

——ico.さんの話を聞いていると、本当に人と人とのつながりを大切にしてきたんだなと感じます

あとは、ちょっと別の話になってきますが、私は地域で雇用を増やしてなんぼかなと思っています。

首都圏の大手メーカーにお金を落とすのではなく、地域で経済を回したい。地元で利益を出す仕組みになっていないものがあったら、それを還元できるように考えたりするのも楽しいです。大学ではそういったことを学んできたので、その知識が今につながっているなと感じています。

——今後の夢や展望を教えてください

福島市っていいところがいっぱいあって。何でもあるからこそ、ずっと福島にいる人は「何にもない」と思っているのかも

福島の人たちはPRに対して消極的だなと思うので、そんな人たちのおしりをどんどん叩いて、外から来た感想や面白かったことを話し合って、気持ちに火をつけていきたいです。それによってもっと福島の良さに気づけるし、新しいことを始めるきっかけにもなるのでは。

この土地に何があるのか出し合って、ここで生まれるものを使う。地域の人たちと一緒に育てていきたいと思っています。

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