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貸切もできちゃう福島市のローカル線【飯坂電車】の魅力に迫る

福島市民の足として活躍すること100年! 愛すべき「いい電」の秘密

福島駅東口から市内北部・飯坂地区を結ぶ「飯坂電車」。
いい電」の愛称で親しまれている、2両編成(ラッシュ時は3両編成も運行)の短い列車です。

隣の駅まで300メートルという、ごく短い区間もある(近すぎる!)いわゆるローカル線。雨にも負けず、大雪にも負けず、長い間、福島市民の通勤・通学を支えています。

そんないい電は今年、開業100周年という記念の年!
到着メロディーも100周年バージョンに変わり、復刻版のレトロデザイン列車も市内を走り始めました。

今回は福島の懐かしい思い出に浸りつつ、令和ならではの見どころもご紹介します。古き良き福島と、新しい福島の融合をお楽しみください。

期間限定! 100周年を記念した「レトロデザイン車両」

飯坂線の開業100周年を記念して、4月から始まったのがレトロデザイン列車の運行です。みなさんはすでに実物を目にしたでしょうか?

レトロデザイン列車

昭和から平成の時代を走り抜けた、赤とアイボリーの懐かしカラーの車両

「コレコレ! これに乗って町(福島駅前のこと)によく行った!コルニエツタヤエンドーチェーン……、懐かしい」と、昔を思い出す人も多いのでは。

こちらの列車は、現在運行中の1000系車両のデザイナー・小松大希氏が手掛けたもの。ヘッドマークも100周年デザイン仕様。懐かしいのに、どこか令和っぽくアレンジされていてカッコイイですよね!

100年前といえば、ちょうど大正時代。市内でいうと「福島市写真美術館」がその頃に建てられた建物です。日本人の服装も和装から洋装へ変化していき「大正モダン」という言葉の通り、ロマンとそして時代が大きく変わる激動の時。
当時は小豆色や深緑など、暗めの日本の伝統色を使うのが流行っていたようで、いい電も大正らしい色が使われていますね。この列車は大正から昭和を経て、平成初期まで走行していました。

乗るのはもちろん見ているだけでも楽しい、特別感があるレトロデザイン列車。運行ダイヤは日によって変わるので、出くわしたらラッキー。乗れたら大大大ラッキー! の車両です。

現行列車とレトロデザイン列車の並んでいる様子

タイミングが合えば、現行列車と並んだ瞬間に出くわすことも(花水坂駅ホームにて撮影)

これまでの車両が一覧になっているポスター

一番左が開業当初の飯坂電車。右に向かって新しくなっており、右端が現在の車両

時代にフィットしたデザインを使用

時代は巡り、平成になると現在走行しているシルバーカラーベースの列車に変わります。ガラッと都会的な雰囲気に変わったあの時の衝撃! 覚えている人も多いはず。新車両は実際に東京急行電鉄(東急)で引退したものを譲り受けており、時代がまた一歩進んだとが目に見えてわかるような出来事でした。

100年間福島市民の足として励んでいる、いい電。現在は、便利さに加え市民に愛される存在となりました。その理由のひとつが、市民に寄り添ったデザイン。車内に入るといたるところに顔を見せるのが、福島市観光PRキャラクター「ももりん」です。

車内には春夏秋冬の福島を楽しむ、さまざまな姿のももりんが。終点が飯坂温泉なので、描かれているのは鯖湖湯や飯坂けんか祭りなど、飯坂に所縁のあるものが中心。ももりんはイラストの中でいろんなことに挑戦しています。これが何とも可愛らしい。

夏のももりん

秋のももりん

 

摺上川と松尾芭蕉とももりん

うそかえ祭とももりん

余談ですが、そんな頑張り屋のももりん。よく見るといつも表情は同じなんですよ。微笑まずとも感情を表現することができる表現力の高さ。そして、笑っていないのにこんなに愛らしいと感じさせる優れたデザイン性も必見です。

もしかしたら、ももりんは、いつも変わらない故郷の良さを表しているのかもしれないな……。

そんなことを思いながら乗っていると、あっという間に目的駅に到着。始発の福島駅から終点の飯坂温泉駅まで所要時間23分、路線総延長9.2kmですからね。本当にすぐです。

いい電は信夫山の麓や住宅街をぬって走るので、街並みを眺めながら乗るのも楽しいですよ!

鉄道ファン必見! 車掌が切符を販売・回収する珍しい路線

ちなみに、いい電には鉄道ファン必見の珍しいポイントがあります。それが車掌による切符の販売と回収

大きながま口のバッグを肩に掛けた車掌が車内を回っていて、発車直前で切符が買えなかった場合は、車内を歩く車掌から直接買うことができるんです! いい電には無人駅がいくつかありますので、そこから急いで乗り込んでしまった場合に発生することがあります。

また、近年のキャッシュレス決済の波に乗り、いい電も電子化を導入。引き続き切符での乗車も可能ですが、コンスタントに乗車する人は、福島交通が発売しているICカード「NORUCA(ノルカ)」を使うと便利です。

観光の場合は、いい電1日フリーきっぷ”(800円)がおすすめ。1枚で往復乗車代(途中下車し放題)はもちろん、飯坂温泉共同浴場の入浴券が付いたお得な切符です。

飯坂温泉の入浴券が付いているお得な切符は他にも、飯坂ホテル聚楽の日帰り温浴施設「いいざか花ももの湯」入館券と飯坂電車1日乗り放題がセットになった「花ももフリーきっぷ」や、飯坂温泉20軒の協賛温泉旅館・ホテルの入浴券券付切符「飯坂温泉湯ったり切符」もありますよ。

いい電の乗車口はこちらから(福島駅東口)

いい電の昭和レトロな乗車口(福島駅東口北側)

1日フリー切符を使ったDay Tripはいかが?

SNS時代到来! 映えるレトロさ

いい電といえば、唯一無二のノスタルジックさもいいですよね。

昭和感の残る駅舎。建具に使われている木のぬくもり。ぼんやりと昭和時代を感じさせる懐かしさに思わず胸がギュッ。
駅も案内灯も待合所も、とにかくレトロでいい雰囲気。どこを切り取っても素敵なので、とびっきりのお洒落をして駅に佇めば、映え写真が撮れちゃいそうですね。

SNSが発達した令和の時代にフィットしているので、お気に入りの背景を探して映え写真を撮ってみてくださいね。

桜水駅の待合室

昭和っぽさの残る桜水駅

電光掲示板

飯坂電車の車内

いい電を貸し切れる!? 貸切列車や運転体験会も要チェック

貸切列車のイメージ写真(提供/福島交通(株))

貸切列車のイメージ写真(提供/福島交通(株))

貸切列車

意外と知られていないのが、実はいい電が貸し切れるという事実。これまでも家族・友人の誕生日やイベントなどで特別な時間を過ごそうというグループに利用されてきました。カラオケセットが持ち込めたり、オプションでテーブルを設置したりするなど、自由度も割と高め。

電車で出会ったカップルの結婚パーティーや、鉄道マニアの集まり、周りの人を驚かせたいと考えている人にも最適ですね!

【貸切列車料金表】

 乗車区間  料金(税込)
福島~飯坂温泉(片道) 33,000円 
福島~飯坂温泉(往復) 66,000円
車庫内(桜水駅)での使用(1時間) 16,500円

貸切列車|福島交通 飯坂電車

運転体験

運転席

いい電を運転することができる、貴重な体験会が不定期で行われています。こちらは中学生以上の方であれば誰でも参加が可能。現在運行中のワンハンドル車両「1000系」電車を運転できるとのことで、人気殺到のイベントです。

次回の運転体験の詳細は現在企画中。早ければ2024年の秋以降に行われるとのことなので、いい電の公式ホームページをチェックしてください。

いい電の車両基地に潜入

車掌基地

365日、毎日止まらずに運行している飯坂電車。一日の運行が終わった列車は、桜水駅に隣接する車両基地に戻ります。

今回、車両基地に潜入し、定期点検中の車両を見せてもらいました。

ちょうどタイヤやブレーキ装置など、外せる部分をすべて外して点検しているところに遭遇。点検は4名の専属スタッフによって行われます。「安全に運行できるように」と、3~4か月かけて細かくチェックするそう。並んでいる大きなタイヤは汚れも落とされてピッカピカ! ていねいな仕事ぶりが伺えました。

いつも私たちの安全を守ってくれて、ありがとうございます。

車両と部品が外れた状態

すべて外して隅々までチェック

中央上部のクレーン(中央上部)で車両を持ちあげてタイヤを外す

中央上部のクレーン(中央上部)で車両を持ち上げてタイヤを外す

いい電の今、そしてこれから

現在、100周年の節目に福島駅・飯坂温泉駅の電車到着メロディと案内放送の運用が開始されています。

到着メロディには、飯坂温泉地に馴染み深い「飯坂小唄」を採用。小気味のいい明るいリズムで、なんだか楽し気な雰囲気になっています。英語のアナウンスも採用され、海外の方にも対応。次の100年を迎える準備はできています!

これからも人々を運ぶ欠かせない存在として、あり続けてほしいですね。

「いい電100年の歩み」イベント開催

歴史ある飯坂線の歩みを当時の写真で振り返る展示コーナーをはじめ、講座やギャラリートークを開催し飯坂線の魅力を伝えるイベントが、福島市アクティブシニアセンター・アオウゼにて開催されます。

期間は2024年10月1日(火)~11月25日(月)。

なお、10月9日(水)・24日(木)に開催される「大人の遠足」の申し込みは、9月21日(土)から開始とのこと。詳細はイベント情報をご確認ください。

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