【特集：ふくしまを盛り上げる人たち】Vol.4　信夫山スタジオ・フーバーサイクル 橘内裕人さん

福島市中心部にある信夫山の中腹の一軒家「信夫山スタジオ」を拠点に、レンタサイクル業「フーバーサイクル」を営む橘内 裕人（きつない ゆうと）さん。
橘内さんは、レンタサイクルを活用した「福島市を新しい視点で観光してもらうサイクリングの旅」の提案や、福島の田舎暮らしがちょっとだけ体験できるユニークなアクティビティを提供しています。

福島の新しい魅力を発見したい方、自転車に乗ることが好きな方、田舎暮らしに憧れている方は、フーバーサイクルを利用して、いつもと違う福島旅をしてみませんか。

この記事では、橘内さんにフーバーサイクルを始めたきっかけや、信夫山スタジオのこれからについてお話を伺ってきました。

信夫山スタジオとは？
信夫山スタジオでは、動画制作・配信やデジタルドクター（スマホやPCの不具合対応）などさまざまな事業を展開。その一つがレンタサイクル業のフーバーサイクルです。交流施設 兼 橘内さんの住居である信夫山スタジオを拠点にしています。

市内どこへでも自転車をお届け&返却可能なレンタサイクル

——フーバーサイクルはどんな事業ですか？

フーバーサイクルの最大の特長は、福島市内であればどこへでも自転車をお届けし、どこででも返却できるところです。折りたためる小型の高性能電動自転車「PSF1」を2台まで貸出が可能です。
電動アシスト付きなので、坂道が多い山間部でも楽々ツーリングでき、走行距離は低アシストなら95km、高アシストで55kmと、市内を走るのに充分な性能があります。万が一バッテリーが切れてしまっても、電話一本で予備バッテリーを届けます。

初めて利用する方は、信夫山、小鳥の森、土湯温泉、飯坂温泉、茂庭っ湖、高湯温泉などのモデルコースがおすすめです。
例えば高湯温泉コースは、福島駅西口で自転車を受け取りスタートし、浄楽園→吾妻山麓醸造所→cafe 風の庭をめぐり、ゴールの高湯温泉で自転車を返却します。立ち寄りスポット間の行程も一つの観光として楽しめるのが、サイクリング旅のポイントです。

さらに、サイクリング旅を楽しんだあとは信夫山スタジオでのアクティビティをオプションで追加することも可能で、

• 「福島のうまい酒呑みくらべ大会」
• 「だれでも動画（ライブ）配信・実践講座」
• 「おやま便り～日帰り文章教室～」
• 「畳でごろ寝、BGMは鳥の声と風の音」
• 「信夫山ウォーキング with 山伏」
• 「焚き火でととのう」

など、ユニークなアクティビティを多数準備しています。

新幹線に乗る前の空き時間に焚火をしてみたり、自転車を返しがてらここでお茶してみたり。
ただ観光地だけをめぐるのではなくて、福島のあたたかい雰囲気や田舎の暮らしをちょっと体験できる旅になれば。それで『あ、福島っていいじゃん』って思ってもらえたら嬉しいですね。

自宅兼仕事場の「信夫山スタジオ」

事業のきっかけは東京の友人の一言

——レンタサイクル事業を始めたきっかけを教えてください

以前は東京の映画製作会社で働いていましたが、2022年に福島市にUターンして、約1年3か月が経ちました。
しばらく仕事から離れてのんびりして、「これからの仕事をどうしようかな」と考えはじめていたとき、都内の友人と福島を一緒に歩いて回る機会がありました。ネットでは車ありきのお店や情報ばかり出てくるけど、ちょっと横道に入ればネットには載っていない面白いお店がたくさん見つかりました。

「福島って意外といろいろあるんだね。果樹園が立ち並ぶフルーツラインもあるし、温泉もあるし、サイクリング関係の仕事なんていいんじゃない？」

フーバーサイクルは、そんな友人からのアドバイスがきっかけでスタートしました。

レンタサイクル事業は行政や民間でもやっていますが「自転車を借りる場所と返す場所が決まっていないから遠出がしやすい、そこで差別化ができそうだな」と考えました。

——なぜ信夫山を拠点に選んだのですか？

私は福島市出身で実家は市内に別にありますが、Uターン当初は東京での生活に疲れていて「ひっそり落ち着いた暮らしがしたい」と、何軒か空き家を探して選んだのがこの家です。

決め手となったのはこの見晴らし。福島市街地を眼下に望むロケーションが最高です。
朝は神社の鐘の音で目覚めて、ウグイスなど鳥の声が聞こえてくる。自然の豊かさや厳しさを肌で感じながら、私自身も田舎暮らしを楽しんでいます。

福島市街地を一望できるロケーション

前庭では焚火やバーベキューができるので、よく友人を招いて火を囲んでプチキャンプをしています。
焚火には不思議な魅力があってとても素敵な時間が過ごせるので、観光客にも体験してもらえるようアクティビティとして提供をはじめました。

信夫山スタジオ前庭で焚火も体験できます

信夫山スタジオが目指すのは「ちょっと疲れた人の癒しの場」

信夫山第2展望台

——利用客の反響はいかがですか？

現在は知り合いづての首都圏からの利用客が多いですが、とても好評で、リピートしてくれる方もたくさんいます。
知り合いの親子は定期的に来てくれていて、信夫山スタジオでバーベキューや花火を楽しんでいます。お子さんからのリクエストで、近所の竹を切り出して流しそうめんをやったのですが、後日「子どもが夏休みの絵日記に信夫山のこと書いていて、相当楽しかったみたいだよ」と教えてもらい、嬉しくなりましたね。

また、東京でバリバリ働く知人女性は、サイクリングでへとへとになって信夫山スタジオに帰ってきたあと、焚火でマシュマロを焼いてビスケットで挟む「スモア」を提供したらとても喜んでくれました。鳥の声や風の音を聞きながら、ただただ焚火を見つめて、仕事であった嫌なことや自分のことをぽつぽつ語ってくれて。帰る頃には「もうちょっと頑張るか！」と、元気になって新幹線で帰っていきました。

自分が信夫山で癒されたのと同じように、ここが人生にちょっと疲れた人の癒しの場になっていけばいいなと思います。

——素敵なエピソードですね。最後に利用を考えている方へメッセージを

自転車の旅では、車の旅とは全く違う発見や楽しみ方が見えてきます。スピードを落としたり、立ち止まったり、寄り道したり、いつもと違った観光のしかたや、違う視点で福島の街を見てみてください。
田舎暮らしのアクティビティも選択肢をどんどん増やしていって、ゆくゆくは信夫山スタジオで宿泊業もやれたらいいなと思っています。ぜひ新しい福島を体験しに来てください！

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信夫山スタジオ・フーバーサイクル 詳細情報

※東京出張などでレンタサイクルに対応できない日程は、前もって公式サイトに掲載されますのでご確認ください。