【特集：ふくしまを盛り上げる人たち】Vol.3　Kanno工房 菅野康晴さん

9月17日(日)に、福島市飯坂町の「パルセいいざか」で開催された大規模イベント「One step space（ワンステップスペース）」。パルセいいざかの全フロアと駐車場を貸し切り、106もの出店者が福島県内外から集結したイベントには、約4,000人もの来場者が訪れ、大盛況で幕を閉じました。

どのようなきっかけでこのイベントを開いたのか、なぜ飯坂町を選んだのか、このイベントを主催する木工クラフト作家の「Kanno工房」菅野康晴さんに、その想いを伺いました。

Kanno工房 菅野康晴さん

福島市野田町で木工クラフトを制作するKanno工房。代表の菅野康晴さんは、店舗を持たずイベントやショッピングセンターなどに出店し、作品を展示・販売しています。福島市観光案内所で不定期開催している「桃の剪定枝でペンダントづくり」の講師も担当しているんですよ。

Kanno工房 イベント出店の様子

Kanno工房の作品

One step spaceとはどんなイベント？

One step spaceは「踏み出す一歩」「初めての一歩」「新たな一歩」など、たくさんの「一歩」が集まる場として、雑貨・クラフト・ハンドメイド・アンティーク・ファッション・古着・ドリンク・フードなどの作家・事業者が対面販売を行うイベントです。

2023年4月に始動したOne step spaceは、これまでに「旧堀切邸」で3回、「Roots猪苗代」で1回開催し、今回のパルセいいざかで5回目。旧堀切邸とパルセいいざかの管理会社である「福島観光開発株式会社」から、「ぜひパルセいいざかで、今までにないイベントをやってほしい」と菅野さんが声をかけてもらったことをきっかけに実現しました。

9/17イベント当日の様子をレポート

9月17日(日)のイベント当日の様子をレポートしていきます。
私が会場に到着したのは10時半頃。オープンして30分ほどしか経っていませんでしたが、ものすごい人であふれかえっていました。11時時点でのお客さんの入りは、なんと約1,200人！

大賑わいのフードブースが並ぶ1階ホール

入り口を入ってすぐ、フードブースが並ぶホールはお客さんで大賑わい。商品へのこだわりや、めずらしい野菜のおすすめの食べ方など、そこかしこから出店者とお客さんの楽しそうな会話が聞こえてきました。

 

子ども食堂コーナーでは、プチ縁日やバザーなどを開くことで子ども食堂に対する啓蒙を行い、収益は活動の運営費に寄付しているのだそう。

子ども食堂コーナー

リラクゼーションコーナー

リラクゼーション、マッサージ、アロマ、スピリチュアルなどの体験ブースも。
ハンドマッサージを受けていた女性は「家でセルフマッサージをやっているのですが、プロにやってもらうとやっぱり全然違いますね」と癒された表情でした。

ファッションや古着、雑貨、アンティーク家具などが並ぶ2階のコンベンションホール。

2階のホワイエ（ホール等の入口付近の広い通路）とコンベンションホールは、ファッションや古着、アクセサリー、雑貨、家具などのブースが並ぶフロア。絵付け体験などのワークショップを行うブースも子どもたちでにぎわっていました。

3階ホワイエではコーヒーの販売と、写真の展示や映像の上映が行われていました。

会場を歩いていると、いたるところからコーヒーの良い香りが。それもそのはず、コーヒー店だけでも10店舗が出店していました。休憩がてら気になっていたお店のコーヒーの飲み比べもできて、コーヒー好きにはたまらない1日になったことでしょう。

屋外のキッチンカーには、お昼前には行列が

菅野さんにOne step spaceへの想いを伺いました

――どのような想いでイベントを企画したのですか？

「自分が出たいと思うイベントを自分で作ろう」と、企画を一から練りました。コンセプトは「誰もが楽しめるイベント」。ハンドメイドと括ってしまうと、出店者もお客さんも女性に偏りがちですが、このイベントでは老若男女が楽しめる幅広いジャンルの作家や事業者に出店してもらっています。

――出店者はどうやって集めたのですか？

ほぼ9割方、私とつながりのある作家さんたちです。イベント出店時に私から声をかけたり、知り合ったりしてできたネットワークを駆使して出店を依頼しました。

出店者は誰でもいいわけではなく、ちゃんとプロ意識があって、真剣にものづくりをやっている方、安売りはせず適正価格でクオリティの高いものを販売している方にお願いしています。

世間からは「作家＝どうせ趣味でしょ？」と軽く・安く見られがちですが、このイベントでクオリティの高さを実感してもらうことで、世間の意識も変えていければと考えています。

――なぜ飯坂町でイベントを？

「バブル時代の飯坂温泉の盛り上がりを知っているから」ですね。かつての飯坂町は活気があってとても魅力的でした。
私は飯坂町出身でも在住でもありませんが、あのにぎわいをもう一度取り戻せたらと、毎月のように飯坂町でイベントを開いています。

One step spaceのこれから

飯坂町に再び活気を取り戻したいと奮闘する菅野さん。パルセいいざかを会場とする「One step space」は、時期はまだ未定ですが、毎年開催していく予定とのこと。

菅野さんは「このイベントを目的に飯坂町にたくさんの人が訪れてくれれば嬉しいです。県内外から飯坂温泉へ泊まり客が増えるくらいのイベントに育てていきたいですね」と、笑顔でビジョンを語ってくれました。

次回の開催時期や出店者情報は、公式Instagramをチェックしてくださいね。

 

 

 

 

 

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