バリアフリーツアーセンターおすすめ！ 障がいがあっても楽しめるピーチホリデイ・モデルコース

福島市の夏の風物詩「桃」を、市内のどこにいても気軽に味わえ・楽しめる桃づくしのキャンペーン“ふくしまピーチホリデイ”が盛り上がっていますね。

ただ、障がいや身体的な制約のある方々にとっては「移動手段や移動経路などのアクセシビリティは整っているのかな？」「困ったときにサポートしてくれる人はいるのかな？」「トイレなどバリアフリーに対応した施設・設備かな？」など、不安や心配はつきませんよね。

そこで今回は、福島市バリアフリーツアーセンターがおすすめする“福祉タクシー”を活用したピーチホリデイの楽しみ方のモデルコースをご紹介します！
車いすに乗りながら、安心して桃狩りやお食事、お買い物を楽しむことができますよ。

バリアフリーツアーセンターは、JR福島駅西口の「福島市観光案内所」内にあり、バリアフリー対応・情報発信に積極的に取り組んでいます。2022年には観光からより良い社会をつくる「JAPAN TRAVEL AWARD 2022」の初代グランプリに輝きました。

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2023.02.17

“誰もが楽しく旅ができるふくしま”へ【心のバリアフリー おもてなし講座】レポートVol.1

日本人の約3人に1人が高齢者や障がい者の今、私たちにできること

福祉タクシーとは？

大和タクシーの穂積幸一さん

福祉タクシーは、車いす利用者や障がい・高齢者などが、安全に移動できるように設計されたタクシーです。提供している会社によって車種は異なりますが、車いすに乗ったままでも乗車できるようにスロープがついているほか、福祉に関する研修を受けたドライバーさんが適切なサポートをしてくれます。

家族や同行者の同乗もでき、医療機関へのアクセスや買い物、観光など、日常生活のさまざまな面で自立した生活をサポートしてくれます。

今回は、車いす利用者である仙台バリアフリーツアーセンターの理事長・岩城一美さんとスタッフの舛井里美さんが、大和タクシーが提供する福祉タクシーに乗りながら、桃狩りやお買い物、桃フード・桃アフタヌーンティーなど、ピーチホリデイを安心・安全に楽しんでいるところに同行させていただきました。

福祉タクシーで巡るための事前準備

大和タクシーの福祉タクシー車両

福祉タクシーを利用するには、事前予約が必要です（今回利用した大和タクシーは、前日の16時まで）。
バリアフリーツアーセンター（福島市観光案内所内）へ連絡すれば予約代行をしてくれるほか、旅行の相談などにも無料で乗ってもらえるので便利です。

観光予定の施設や場所のバリアフリー情報も事前に確認しておくと安心ですね。

「福島市バリアフリーマップ」 は、欲しい情報を絞り込んで自分のニーズに合わせた使い方ができます。画像が多く掲載されているのでおすすめですよ。

福島駅に着いたら、まずは福島市観光案内所へ

バリアフリーツアーセンターがある「福島市観光案内所」

観光当日。福島駅の新幹線を降り、改札口を出た岩城さんと舛井さん。真っ先に向かった場所は、タクシーの代行予約をしてくれたバリアフリーツアーセンターがある「福島市観光案内所」（JR福島駅西口構内）です。

ここは全国的にもめずらしい、来訪された方にフレンドリーにお声かけするスタンディングスタイルの案内所です。
福島市や近隣市町村のパンフレットが揃っていたり、イチ推しの観光特集スタンドがあったり、スタッフさんがていねいに対応してくれたりと、嬉しい無料サービスが充実している場所です。

観光案内所 所長の柳沼亜希さん（左）と、車いす利用者である仙台バリアフリーツアーセンター理事長 岩城一美さん（右下）とスタッフの舛井里美さん（右上）

さらに、ここは観光庁の「観光施設における心のバリアフリー認定制度」を受けている施設でもあり、バリアフリー対応宿の紹介やお客様に合わせた観光ルート提案、筆談対応、車いすレンタル（有料。台数に限りがあるため事前予約がおすすめ）などのサービスを受けることもできます。

どんな方にも可能な限り安心して観光を楽しんでもらえるサポートに努めている案内所です。

福島市観光案内所の詳細はこちら

今回2人は、福祉タクシーのドライバーさんとの待ち合わせに案内所を指定。涼しい所内で待っていると〜

福島駅出発！ 福祉タクシー乗車

待ち合わせ場所は、バリアフリーツアーセンター（福島市観光案内所）にすると便利です

今日のドライバー、大和タクシーの穂積幸一さんが時間通りに案内所へ迎えに来ました。それでは、今日の行き先を確認し、出発です！

通常のタクシーは、車いすから座席へ移乗し、車いすはトランク等に収納しますが、こちらの福祉タクシーは車いすごと乗車できるのでスムーズ！ もちろんすべてドライバーさんがていねいにサポートしてくれます。

ていねいに移動をサポートしてくれるドライバーの穂積さん

さぁ、出発です！

車いすでもできる！ あづま果樹園で桃狩り

福島駅から福祉タクシーに揺られること約20分。ベビーカーや車いすの方にも対応した果物狩りができる「あづま果樹園」に到着しました。

桃狩り30分の料金は、中学生以上1,210円／4才～小学生990円／3才以下無料（税込）

車いすごとスムーズに降りて、まずは直売所で受付です。 

降車中の様子

通常の桃狩りは30分の採り食べ放題ですが、この時期の福島の暑さは、体温調節が困難な障がいを抱えている人にとっては危険な場合も。
30分も炎天下の畑にいるのは不安という方のために、福祉タクシーを活用したプランでは、3個だけ畑で桃狩り体験をして、うち1個は畑で採りたてを食べ、2個はお土産として持って帰れます。1個だけ桃狩りし、残りの2個は直売所へ戻ってから貰うことも可能なので、果樹園のスタッフに声をかけてみてくださいね。

印刷した割引券を受付時にスタッフの方に渡しましょう

ちなみに、観光ノートにあづま果樹園の桃狩りが10%OFFになるお得な割引券がありますので、ぜひご利用ください！

あづま果樹園の桃狩り10%OFFチケットはこちら

それでは、いざ畑へ！
畑は広いので、通常は果樹園の送迎車に乗って移動するのですが、ステップが高く、移乗が困難な場合も。ですが今回は福祉タクシーで移動ができるので、その点も安心です。

畑に着いた後も、足元が整備されているわけではないので車いすで移動するのは大変ですが、ここでもドライバーさんが大活躍。車いすを安全に押して、畑内の移動を常にサポートしてくれました。

美味しい桃の選び方、採り方を教わる様子

スタッフの方から美味しい桃の選び方、桃の採り方を教わり、いよいよ桃狩り体験です！

手は届くかな？ どんな感じで桃狩りするのかな？ と思いきや、桃は低い位置にも実っているので、車いすでもお目当ての桃を見つけて採ることができました。

桃狩りを楽しむ岩城さん

「本当は桃狩りは不安だったんです。車いすで桃狩りができるなんて思っていなかった！」と岩城さん。

皮ごとパクッと食べてもいいですが、桃は結構汁が出るんですよね。園から包丁を借りることができますが、食べやすさを求めるなら、ご自身で紙皿やフォーク、ウェットティッシュを持っていくのもおすすめですよ。

採りたてのみずみずしい桃を頬張る岩城さん

「甘〜い！」「硬〜い！」「甘いのに硬〜い！！」初めての桃狩り体験に、童心に返るお二人。岩城さんは採れたて桃の美味しさを実感し、直売所に戻ってさっそく東京のお友達に桃を送っていました。

※桃シーズンはまもなく終了ですが、他にもぶどう・りんご狩りなどが同じように楽しめます。ぶどう・りんご狩りは30分食べ放題のみお楽しみいただけます。

あづま果樹園の詳細はこちら

道の駅ふくしまで桃ピザを食べよう

道の駅ふくしま外観

お次は、道の駅ふくしまへ“桃フード”を食べに行きましょう。今回は、地域食材を贅沢に使った福島ならではの食事を堪能できるレストラン「あづまキッチン」でランチです！

あづまキッチンの券売機

郷土料理や創作料理など、ここでしか食べられない豊富なメニューが並びますが、今回はピーチホリデイメニューの“桃とモッツァレラチーズのピザ”をチョイス！

スイーツピザ ￥1,080（税込）

もちもち&カリッとした生地の上に、コンポートにした甘くて硬めの福島産の桃、その下には弾力のあるモッツァレラチーズ！ 上からハチミツをかけ、アクセントに黒こしょうがかかっています。

甘さと塩味、そしてスパイス。素材の味わいを互いに引き立てる絶妙な組み合わせで、お二人も大満足！「絶品！ 絶対食べてもらいたい〜！」とお墨付きをいただきました。

桃ピザを頬張るお二人

お腹いっぱい食べた後は、ショッピング！ 桃や桃関連の商品、美味しそうな食べ物・お土産がいっぱい揃っていますよ。

道の駅ふくしまでお買い物を楽しむ

混雑時はちょっと移動が大変な場合もありますが、そんなときもドライバーさんにサポートしてもらいながら楽しみましょう。

※乗務員さんは、会計や支払い等の代行はできません。

また道の駅ふくしまのトイレには、ユニバーサルシート（大人も横になれる大型のシート）やオストメイト機能（人工肛門や人工膀胱保有者の方に対応した設備）を備えたバリアフリートイレがあるほか、男子・女子トイレ内に1か所ずつバリアフリートイレがあります。

トイレ休憩にも安心してご利用いただけますよ。

道の駅ふくしま詳細はこちら

桃もむいてくれる！ オノデラ百貨店のアフタヌーンティー

オノデラ百貨店外観

最後に向かったのは、飯坂温泉に2023年7月にオープンしたばかりのカフェ「オノデラ百貨店」！
あづま果樹園のお土産の桃を持ち込むと、カットして提供してくれました。今回はアフタヌーンティーを予約しました。

採ってきた桃をスタッフの方へ渡します

実はここのアフタヌーンティーを食べるためには、1週間前までに予約をする必要があったのですが、それもそのはず！入手困難なスイーツが組み合わさってできたアフタヌーンティーなのです（※8月23日現在、アフタヌーンティーの提供は終了しました）。

アフタヌーンティー（ワンドリンク付）3,500円（税込）

• 就労支援事業所で作った、数量に限りのあるジェラートやシフォンケーキ
• お店に行ってもなかなか手に入らない飯坂の洋菓子店「らったるった」のバスクチーズケーキ
• 福島産の規格外フルーツ（栄養や美味しさは変わらないのに、見た目やサイズで基準を満たさず、経済的価値が低いもの）を活用して作っている、ふくしま果樹加工考案室が作るグラノーラやフルーツソース

など、豪華な組み合わせ！ それらに、さっき自分で採ってきた桃を切って添えてくださいます。
美味しくいただくことで応援・貢献にも繋がる、ALL福島のスイーツです。

福祉タクシーに乗ってピーチホリデイを楽しもう

福島駅で下車しお別れの様子

遊んで！ 食べて！ 買って！ ピーチホリデイを堪能したら、最後は再び福島駅まで送り届けてもらい帰宅です。

最後にピーチホリデイの感想を伺うと「桃三昧、楽しめました！ どうやって桃狩りするの？ 本当に大丈夫？ と行く前は不安もあったのですが、終始ドライバーさんが手伝ってくれたので、安心して楽しむことに集中できました。介助動作も声がけもすべてていねいで感動です。次に来た時も指名します」と岩城さん。

舛井さんも「ドライバーさんがサポートしてくれるので、安心して岩城さんと一緒に楽しい時間を過ごすことができました。道中はガイドさんのように福島市のことも教えてくれて、次はもっといろいろな場所に行きたくなりました」と嬉しい感想をくださいました。

今回は福島駅がスタート＆ゴールの日帰りのモデルコースでしたが、もちろん宿泊施設やご指定の場所の発着もOK！ ご自身に合った自由なスタイルで利用ができますよ。

福祉タクシーを利用して、ちょっとハードルが高くて諦めていた福島の素敵な場所、訪れてみませんか？

今回のバリアフリーモデルコースを動画にしました

よりコースの詳細がわかるかと思いますので、ぜひご覧ください。

アンケート回答で特産品が当たる！

「ピーチホリデイ2023」では、参加店や市内観光施設などで桃型うちわを配布。うちわに記載された二次元コード（QRコード）を読み取り、アンケートに回答いただくと、総勢40名に特産品などが当たる懸賞に応募できます。

1店舗から応募できますが、以下の活動が増えるごとに当選確率アップのチャンス！

• アンケートに2店舗まわった情報を入力
• お店のGoogleマップへクチコミを投稿
• SNSへハッシュタグ投稿（#ふくしまピーチホリデイ または #fukushimapeach　Instagram ・ Twitter）

ちなみに、今年のアンケート結果で一番人気だったメンバー店の桃コンテンツが、来年のメインビジュアルの写真を飾ることになっています。

桃コンテンツを楽しみながら参加店を応援して、福島市を一緒に盛り上げていきましょう！

ピーチホリデイの詳細はこちら

バリアフリーのモデルコースについて