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福島市地域おこし協力隊が手がける「古民家Cafe imoca」
にぎわいのある持続可能な観光交流拠点を目指して
のどかな田園風景が広がる福島市大波にオープンした、福島市地域おこし協力隊が手がける「古民家Cafe imoca(イモカ)」。
大波地区特産のサツマイモを使った手づくりスイーツと農村の風景に癒やされると、今話題になっています。
手がけるのは「大波地区地域おこし協力隊」
福島市街地から車で約25分、伊達市霊山町に隣接する「大波地区」は、田園風景と鳥のさえずりが心地よいのどかな場所です。
大波地区地域おこし協力隊OBで「NPO法人0073(おおなみ)」代表の永井康統さんと、現・協力隊の大澤隼人さんが中心となり、築100年の古民家を改修した「古民家Cafe imoca(イモカ)」が今年3月にオープンしました。
築100年の趣ある古民家をカフェに
趣ある古民家は築100年の農家をリフォームしたもので、立派な柱や梁は当時のまま。
なんといっても、窓から望む田園風景が魅力で、春は梅、こぶし、山桜が咲き誇ります。まるで窓が額縁のようで、春夏秋冬の移りゆく景色をゆったりと堪能できます。
明星いもを使った「おいもnoチーズケーキ」が人気
今、一番人気があるメニュー「おいもnoチーズケーキ」。
チーズケーキの味わいのあとに、サツマイモ本来の自然の甘さが追いかけてくる新感覚スイーツ。濃厚で甘みのあるサツマイモは、永井さんが大波の気候を生かして開発した干し芋「明星いも」を使用しています。
永井さんが地域おこし協力隊に在籍中、干し芋の本場・茨城県の生産者の方々から支援を受け、研究を重ねて商品化した「明星いも」は、今や大波地区が誇る特産品になりました。
干し芋の甘味は、サツマイモを収穫したあとの熟成期間や1本1本手作業で皮剥きするなど、さまざまな工夫によって生まれています。
さらに「明星いもの甘さを使ってスイーツを作れば、オンリーワン商品ができる」と、焼き菓子の「こがし蜜いも」を作ってきました。干し芋を作る際に出る切れ端を有効活用しています。
そして永井さんは、地域おこし協力隊の任務終了後も、開発した地域の特産品を今後も発信していく必要がある、新たなかたちで次の隊員にバトンタッチしたいと考えていました。
そんな大波地区への熱い思いがカフェをオープンする原動力になり、現在の隊員である大澤さんに引き継がれています。
大波地区に賑わいをもたらす交流拠点に
imocaの店長であり、スイーツなどのレシピを開発している大澤さんに、開発の苦労や今後の活動についてお話を伺いました。
もともと料理が好きで、飲食業界で運営などに携わっていましたが、お菓子作りは1回もやったことがなく初めてでした。人から話を聞いたりWebで調べて研究したりしましたが、最初は失敗の連続でした。
お菓子作りが初めての挑戦だったと聞き驚きましたが、研究熱心で、試行錯誤しながら腕を磨いている大澤さんだからこそ生み出せたスイーツなのだなと納得です。
今後について大澤さんは、次のように抱負を語ってくれました。
スキルを磨きながら、新しいメニュー開発や企画を通して安定した売上を維持し、しっかりと経営ができるようになりたい。そして将来のカフェのかたちも少しずつ描いていきたいですね。
最後に、永井さんにも今後の展望をお伺いしました。
大澤さんがいずれは自分の店としてimocaで安定した収益が確保でき、ここで生活ができるよう引き継いでいきたいなと考えています。
あとは、アルバイトの人たちもここで経験を積んで、将来お店を開けるような仕組みを作っていけたらいいなぁと思っています。
カフェimocaでは日替わりランチもはじまり、今後、地域住民によるワークショップの開催なども予定されていて、大波地区に賑わいをもたらす新たな交流拠点として期待されています。
店舗情報
住所 | 福島県福島市大波字上屋敷30 |
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TEL | 024-573-5508 |
営業時間 |
10:30〜16:00(L.O.15:30) |
定休日 | 毎週月曜日 ・火曜日(祝日の場合は営業) |
駐車場 |
あり |
HP・SNS | |
アクセス | 福島市街から、国道115号線(または県道308号を経由し国道115号線)を東(霊山方面)へ進み、約20分。大波城址近く。 |
大波地区の住民でつくる「大波ひまわり育って会」は、震災で途絶えていたひまわり畑を再開し、景観づくりや地域活性化に取り組んでいます。夏には、大波城址に広がる約5万本のひまわりが国道115号線を彩ります。