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お台場には「実物大ガンダム」が、福島には「へたれガンダム」がいる!

ちょっと頼りない絶妙な「へたれ」っぷりが愛される、福島市平石地区の珍スポット

ガンダムの立像といえば、GUNDAM FACTORY YOKOHAMA や、東京・お台場のダイバーシティ東京プラザ前に立つ実物大ガンダムが有名ですが、実はここ福島市にもガンダムの立像があるのをご存知でしたか⁈

その名も

「へたれガンダム」!

「へたれガンダム」を見に行きたい

福島市の「とうほう・みんなの文化センター」では2023年4月16日まで、東北初開催となる「安彦良和/機動戦士ガンダム THE ORIGIN展」が開催中です。

(これはかっこいいガンダムのほう)

先日、上記のイベントに関連して、福島市観光コンベンション協会にこんなお問い合わせがありました。

へたれガンダムについての問い合わせ
担当者様
とうほう みんなの文化センターでのガンダム展で福島市を訪問させて頂きます。
福島県福島市平石中稲場にある へたれガンダム は誰でも観光可能なのでしょうか? また、現存しているのでしょうか? 最近の情報が見当たらないのでご質問させていただきました。

最近の情報が見当たらないと……。これはわが福島市観光ノートで記事にしなくては!
ということで今回、へたれガンダムがある福島市 信夫地区 平石区の区長・阿部克己さんにお話を伺ってきました。

前置きが長くなりましたが、福島市が誇るB級スポット「へたれガンダム」の歴史とその魅力、ぜひお付き合いください。

Googleマップにも載っている「へたれガンダム」

この「へたれガンダム」、実はGoogleマップにもちゃんと載っており「福島市の珍スポット」として知る人ぞ知る存在なのです。
最盛期には個人の来訪者のみならず観光バスもやってきて、多い日には北は青森、南は関西方面から、一日に400〜500人もの観光客が訪れたのだそうです。

へたれガンダム

ちょっとガニ股の曲がった足、丸っこい顔、なんとなくいびつで頼りなげな立ち姿……。お台場の見上げるような精悍なガンダムと比べると、正直あまりかっこよくはないですよね(笑)

でも、この頼りない佇まいと、なんだかこちらから助けてあげたくなるような放っておけない感じが、地元の方をはじめ観光客など多くの方に愛されている理由なのではないかと思うのです。

へたれガンダムとは

へたれガンダムは、2009か2010年頃、地元のアマチュア鉄作家・鉄工房 佐々木さんが製作したものです。
それまでこの地には、福島市政施行100周年を記念し「恐竜の里」をテーマに佐々木さんが製作した恐竜の像が、3体ほど置かれていました。
イベント終了後、すべて引き上げてしまったのでは寂しいだろうと佐々木さんが代わりに持ってきてくれたのが、このガンダム像だったのです。

ひっそりと置かれたガンダム像は、誰が名づけたか「へたれガンダム」と呼ばれるようになり、インターネットを通じてバイク乗りや一部愛好家のあいだで知られるようになりました。

製作者の佐々木さんは、へたれガンダムの寄贈後1年ほどで他界され、残念ながらこのガンダムが遺作となってしまいました。

金属製のへたれガンダムは風雨にさらされて錆びてしまいますが、そんな錆びた姿がかわいそうだと、これまでに有志による二度の塗り直しも行われているんですよ。
一度目は放射性物質の除染作業でこの地を訪れていた職人さんが、二度目は地元バイク乗りとその仲間たちが、それぞれ自費で塗り直してくれたんだそう。
皆に愛されているへたれガンダムです。

「ビームライフル盗難事件」で一躍有名に

知る人ぞ知る珍スポットだった へたれガンダムが一躍有名になったのは、ビームライフルの盗難事件がきっかけでした。

2020年5月のGW、へたれガンダムが手にしていたビームライフルが何者かによって盗まれてしまいました。報告を受けた阿部区長は、何もしないわけにはいかないと警察署に被害届を提出。

この一件が同年6月に多くのメディアで報じられたことで、へたれガンダムが全国的に知られるようになり、人気に火がついたのでした。

続々と寄せられる新しい武器

この事件を知ったファンの方々から「へたれガンダムが何も武器を持っていないのではかわいそうだ」と続々と武器がへたれガンダムのもとに寄せられ、足元や横に置かれていきました。

今、へたれガンダムが手にしているのは、2020年6月に地元の福島工業高校の3年生6人と教諭が1週間かけて制作したという金属製のビームライフル。
背中に背負った木製のライフル銃は日光にお住まいの親子からの寄贈で、わざわざ銃を届けにここまで来てくれたのだそうです。

ガンダムハンマーのほか、ブロックに差し込まれた拳銃などちょっとガンダムの武器ではないようなものまでありますが、ここまで持ってきてくれた方たちの愛がこもっているものばかり。
ちなみにそのほかのライフル銃がかけてあるラックは、近所の方の自作だそうです。

地域の守り神に?

寄せられる武器のほかにも、足元には賽銭箱が。
賽銭箱がない頃には、へたれガンダムの体のいたるところにお賽銭が置かれ、いつのまにか地域の守り神のような姿に。

2022年の初めごろ誰かが賽銭箱を置いてくれたのをきっかけにして「武器を持ってくることはできない代わりに、気持ちだけでも……」という浄財が寄せられています。
「神様になっちゃったみたい」と阿部区長は笑います。
「いただいたお賽銭は、へたれガンダムのメンテナンスのために、ありがたく使わせてもらいます」

過去に一度だけ、へたれガンダムの首があさってのほうを向いていたことがあったそうです。
銃のあと、首まで持っていかれては困る……ということで、地域の方がお金を出し合って、向かいの集会所に防犯カメラが備え付けられました。

でも「お賽銭を入れるような皆さんの『やさしい気持ち』があるから、銃の盗難以降、いたずらされたりお賽銭を持っていかれたりということはないですね」

へたれガンダムの魅力

「へたれ」だがそれがいい!

もしこれが本物そっくりのかっこいいガンダムだったら、ここまで皆さんに愛される存在にはならなかったと思うんですよ
と阿部区長。

不思議な魅力を持つ「へたれガンダム」のもとには、多くの人が集まってきます。バイクツーリングの目的地として、また自転車レースの中継地点として、楽しめるB級スポットとして、ランドマークになっているんですね。

またお正月にはへたれガンダムに、しめ縄が巻かれていたりするそうです。微笑ましい!
「皆に愛されているへたれガンダムなので、そのあたりは好きに飾ってもらっています」とのこと。

仙台からへたれガンダムを見に来たというライダー。これまでにも何回か来ているとのこと。「片道2時間ほどでツーリングにちょうどいいんです」

愛嬌ある「へたれ」っぷりをなんとか写真に収めたいと、しばらく撮影をしている間にも

埼玉から来た親子
仙台からバイクで来たライダー
カブに乗ったライダー
へたれガンダムと写真を撮るカップル

が続々と訪れていました。

変に観光地化されていないのがいい!

へたれガンダムは、これまでご説明したようにちょっとした観光名所なのですが、写真を見てわかるとおり、周りには何もありません。

向かいの集会所に新聞記事が飾られている以外、看板や説明書きの類すらありません。
のどかな里山の、砂利を敷いた駐車スペースにぽつんと佇んでいるだけのです。だから、うっかりしていると通り過ぎてしまいそうになるほど。

この飾り気のなさ、観光地化されていないところもまたいいんですよね!

Twitterでも大人気!

へたれガンダムはTwitterでも大人気です。
いくつかご紹介しましょう!

阿部区長より、へたれガンダムファンの皆さんへメッセージ

へたれガンダムを見守り、これまで数々の取材に対応してこられた阿部区長は、この3月で任期を終えられるそうです。
次の区長さんも、このままのかたちで地域全体でへたれガンダムを受け継いでいってくれるとのことですので、ファンの皆さんも安心ですね。

「これからもへたれガンダムに勇気を与えてほしいし、逆にまた、へたれガンダムから勇気をもらってほしい。なにか困ったり元気がなくなったときにはここに来て。末永く、へたれガンダムを愛してほしいなと思っています」

阿部区長、お疲れさまでした。
平石地区の皆さん、そして全国のへたれガンダムファンの皆さん、これからもへたれガンダムをよろしくお願いします!

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村上瑞恵

レギュラーライター /編集・ SNS担当

村上瑞恵

地に足のついた生活がしたいと、2006年に都内から福島県にIターン。パソコン通信時代からのPCユーザーで、サイト運営やSNS運用などデジタル方面にわりと強いガジェットおたく。地域のICT化推進事業に携わったのち、Web制作会社で観光情報サイトの編集やSNSを活用した販売促進・ファンづくりを担当し、2022年9月に独立。休みの日はカメラ片手にバイクや車で出かけている。

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