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廃トンネル内に冬だけ現れる「氷の神殿」を見に行ってきました!

万世大路クリスタルダンジョンツアー体験記

山岳雑誌にも取り上げられた見事な氷柱

2月中旬に「万世大路(ばんせいたいろ)の古いトンネル内にできる氷柱を見学するモニターツアーが行われる」と聞き、参加してきました。

このツアーは、現在は廃道となっている旧国道13号の「二ツ小屋隧道」(ずいどう=トンネル)内に冬の間だけできる氷柱を見に、スノーシューを履いてトレッキングで往復するという内容です。
氷柱は近年その見事さで多くの見物者を集めており、最近では山岳雑誌「山と渓谷」でも紹介されたそうです。

寒い時期だけにしか見られない氷柱見学、しかもガイドをしてもらいながらスノーシューを履いて冬の山を歩くという機会はそうそうありませんよね! これは貴重な体験になりそうです。

万世大路クリスタルダンジョンツアー

「万世大路クリスタルダンジョンツアー」は、2023年2月11日(土)と19日(日)の2日間、それぞれ午前の部と午後の部が予定されており、2月19日(日)の午前の部に申し込みました。
ツアーの参加資格は、小学校高学年以上、軽い運動ができる体力があればOK、ということで、スノーシューやストック、ヘルメットは希望者にレンタルしてくれます。

当日は朝8時に「道の駅ふくしま」に集合、往路約1時間、復路約40分で、道の駅には11時頃に戻ってくる予定です。
集合の20分くらい前に着いたのですが、すでに一目でわかるハイキング装備の方がたくさんいらっしゃいました。

受付でA班とB班に分かれ、1台のバスでトレッキング開始場所となる「東栗子トンネル」へと向かいます。この日は予報では朝には上がるはずだった雨が止まず、濡れないようにカッパを着ていきます。

バスの道中では、引率してくれる「いいざかサポーターズクラブ」の佐藤さんが、福島と山形を結ぶ重要なルートで「万世大路」と呼ばれた国道13号の成り立ちなどを説明してくれました。

約30分ほどで、東栗子トンネル入り口の二ツ小屋駐車帯(チェーン脱着所)に到着です。
ここから山の斜面を、二ツ小屋隧道を目指してスノーシューで登っていきます。標高差約180m、片道1.5kmの道のりです。

この日はあいにくの小雨、しかも数日前から気温の高い日が続き、足元の雪は春先の溶けかかった重たい雪。正直、初めてのスノーシューで歩くのは結構ハードでした。
しかし日頃からハイキングなどを楽しんでいるという参加者の方々は健脚で疲れた様子もなく、息が上がっているのは私くらい。日頃の運動不足を反省することに。

道中は一列になって進み、最初と最後に引率のスタッフの方がついてくれますので安心です。途中、休み休みゆっくり登っていきました。

二ツ小屋隧道の氷の神殿に対面

およそ1時間ほどで、二ツ小屋隧道の入り口に到着です。

トンネル手前でスノーシューを脱ぎ、皆さん持参したヘッドライトを点けてトンネル内に入ると……

奥には、ライトに白く浮かび上がる大きな氷の柱が林立しています!

トンネル内壁の崩落したすき間から流れ出た地下水が、見事な氷柱となって天井から何本も立ち並ぶようすは、まさに氷の神殿

朽ちていく廃墟のようなトンネルに、冬の間だけ現れるひんやり輝く氷の柱のコントラストが、美しさを倍増させるようでした。

皆さん、氷柱を思う存分写真に収めたところで、隧道入り口でティータイム。
温かいお茶とoncafeさん手作りのガトーショコラの濃厚な甘さが、疲れた身体に染みわたります。

一息ついたところで、再びスノーシューを履いて今度は斜面を下っていきます。
登りは皆さん一列に並んで一歩ずつという感じで登ってきましたが、下りは「歩きやすそうなところを選んで、好きに下っていいですよ」ということで、途中、思い思いのコースでどんどん下ります。
たまに尻もちをついて斜面を滑ったりするのも楽しくて、帰りはあっという間でした。時間的にも下りは早かったです(約30分ほど)。

再びバスに乗り、集合場所の道の駅ふくしまに戻ります。

バスで隣の席になった女性は「普段なかなか一人では経験できないスノーシュートレッキングができるということと、氷柱を見てみたかったので申し込みました。とても楽しくて、参加してよかった!」と話してくれました。すっとチョコレートを二つ手渡してくれて、山登りで出会う人とのふれ合いってこういう感じだよな〜、大切にしたいなと思いました。

車中ではスタッフの方から濡れたものを入れるビニール袋を配っていただき、心配りの行き届いたツアーでした。

帰りは飯坂温泉に立ち寄るのもあり!

道の駅ふくしまから、飯坂温泉までは車で約15分ほどです。飯坂温泉には「鯖湖湯」をはじめとする共同浴場や、日帰り温泉などさまざまな温泉があります。
スノーシュートレッキングで疲れた身体を温泉でゆったりほぐしてから帰る、または飯坂温泉をはじめとする近隣の温泉地に宿泊しながらのツアー参加もいいですね!

 

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国道13号(万世大路)の歴史

福島市と山形県米沢市を結ぶルートは、昔は旧米沢街道が利用されていました。しかし道が大変険しかったため新たな道を開発することとなり、当時、地元の人しか知らなかった「山形の紅花を絹織物が盛んな福島に持ち込むための秘密の道」が新道の元になったといわれています。

その新道の開発には多くの困難がありましたが、「栗子隧道」「二ツ小屋隧道」の長大トンネル工事を経て、明治14年(1881年)に全線開通しました。それが旧国道13号です。
開通式には明治天皇がお見えになり、この道を「萬世ノ永キニ渡リ人々ニ愛サレル道トナレ」という願いを込めて「萬世大路(万世大路)」と名づけられたとのことです。

旧国道13号は昭和に入って車の通行もできるように拡幅されましたが、急カーブや急勾配、さらには未舗装の深い山道のため冬期5か月間は積雪により通行ができないという厳しい状況でした。
この冬季閉鎖の解消と交通量の増加に対応するため、東西の栗子トンネルが開発され、昭和41年に現在の国道13号(栗子ハイウェイ)が開通しました。それに伴い、旧国道=万世大路は廃道となったのです。

そして平成29年11月、東北最長となる栗子トンネルを含めた「東北中央自動車道」の工事が進められ、福島大笹生IC〜米沢北ICの開通によって米沢への道がさらに便利になり、大幅に時間短縮となりました。

万世大路の歴史が知りたい方は、以下のページもぜひご覧ください。
万世大路について(福島市ホームページ)

氷柱見学と駐車場問題

国道13号は、現在も東北中央自動車道の側道として福島〜米沢間を結ぶ大切な役割を担っています。
もし東北中央自動車道が通行止めになってしまったら、国道13号を利用するしかありません。そのため現在でも、冬場の積雪時は24時間体制で除雪が行われています。

近年、見学者が増加している氷柱。
今回ツアーバスが停車した「二ツ小屋駐車帯」はチェーン脱着のための待避所であり、除雪車両の転回や排雪のため駐車禁止となっているのですが、個人で氷柱を見学する方の駐車問題が浮上しています。

今回のモニターツアーは、この駐車場問題などを解決するために企画されました。

個人で氷柱を見学される方はタクシーをご利用いただくか、または自家用車の場合は二ツ小屋駐車帯で降車後、すみやかに移動し、付近への駐車はご遠慮ください。

ご参考までに、いいざかサポーターズクラブさんのページに記載のあったタクシー会社をご案内します。
タクシーマルイチ TEL:024-542-3336
あづまタクシー TEL:0120-227-101

氷柱見学が今後も続けられるように配慮したいこと

旧国道13号は、昭和41年に廃道となってからは管理者が定められておらず、年間を通じて有志のボランティアの方が旧道や二ツ小屋隧道の跡地を整備してくれています。

入山は自己責任です。くれぐれも事故には気をつけて、入山は早朝から14時頃までを目安に、悪天候の心配があるときには無理に入山しないようにしましょう。
また入山時には、季節に応じて必要な装備を身につけ、安全に向かいましょう。

隧道内の天井や壁面、また氷柱も崩落の恐れがあります。崩落箇所、凍結箇所へは近寄らず、氷柱には触らないようにしてくださいね。

今後も多くの方がこの見事な氷柱を見られるよう、一人ひとりがルールや注意事項を守って、楽しく安全に見学したいですね!

詳しくは、いいざかサポーターズクラブの以下のページをご覧ください。
万世大路・二ツ小屋隧道について

いいざかサポーターズクラブで受け付けている氷柱見学ツアー「万世大路スノーシュー」も、今期は2月28日をもって終了となりました。
また来年の冬、見事な氷柱が見られることを楽しみにしたいと思います。

主催 主催:福島市フルーツラインエリア観光推進協議会
企画・運営:えにしトラベル
ツアーサポート NPO法人いいざかサポーターズクラブ
〒960-0201 福島県福島市飯坂町字湯沢26
TEL024-529-6125
E-mail info@iizakasupporters.com
http://iizakasupporters.com/
ツアー詳細 万世大路クリスタルダンジョンツアー ~ももりんサステナブルツーリズム~

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