人気文具カフェpentonoteがパワーアップして移転再オープン！

※福島県沖地震で取り壊され御山に移転した「文化堂」は2024年6月6日に上町に再オープンしました。
記事内の御山店は閉店しました。

2022年3月16日に起こった福島県沖地震。最大震度６強の威力は大きく、福島市内も多くの被害がありました。

県庁通り商店街にあった「福島中央ビル」も、大規模半壊の被害を受け営業が出来ない状態に陥りました。そこには、昭和元年創業の老舗文具店「文化堂」と、国内外のこだわり文房具や雑貨が揃うお洒落文具カフェ「pentonote」が入っていたのです。古いビルをリノベーションした、おしゃれで落ち着く空間が好きで足繁く通っていた方も多いのではないでしょうか、

営業再開ができない状況に、多くの人が寂しさを抱かれたかと思います。

県庁通りにあったpentonoteのカフェスペース（2022年2月15日撮影）

そんな中、嬉しいニュースが。

地震からわずか１ヶ月半後の5月1日。文化堂とpentonoteは新たな場所に移転、再オープンされたのです。

新天地 御山に移転！pentonoteの魅力新たに

青を基調としたお洒落なエントランス

福島駅から車で10分弱。福島市のシンボル信夫山の麓に移転した文化堂とpentonote。駅からフラッと歩いて立ち寄れる場所ではありませんが、車文化が根付いている福島市民にとっては、逆に行きやすくなったという方も多いかもしれませんね。

店内はとても広々した印象です。

pentonoteフロア

これまでは店舗が1階と2階に分かれていましたが、移転先では1フロアに２店が入っています。

文化堂フロア

実用的なものが揃う文化堂と個性的なものが揃うpentonote。同じ文具でも雰囲気が違うため、文具の奥深さが感じられます。

そしてpentonoteといえば文具カフェ。カフェスペースはどこ？と店内を見渡してみると・・・ありました！

 

取材したのは5月16日。様子を見る限り完成まではまだ時間がかかるのかな？と思いきや、なんとオープン予定は5月30日とのこと。（変更の可能性あり）しかも嬉しいことに、作りたてを味わえるベーグル店も併設されるのだとか。

地震から1ヶ月半後には移転オープンし、またその1ヶ月後にはカフェもオープンする･･･このスピード感といったら驚きです。

また、文具スペースとカフェの他にも、何やら工事中の場所が。

何を作っているのでしょうか？そこで、株式会社文化堂の尾形純江さんにお話を伺いました。

地震で「まるで爆撃を受けたような」状態に

株式会社文化堂 常務取締役　尾形純江さん

— この度は、移転再オープンおめでとうございます。地震から1ヶ月半、大変だったのではないでしょうか？

尾形さん：地震が起きた3月は春休みや新年度・新学期を控えていた時期で、例年であれば年間で最も忙しくなる時期でした。それが営業できない状況となってしまいました。

問い合わせや温かい応援メッセージをたくさん頂き、1日でも早くまたお客様に会えるようにと、すぐに移転先を決めました。カフェ再開はこれからですし、まだ商品も全てを出し切れてはいない状態ですが、スタッフ皆で頑張って再オープンにこぎつけました。

— 県庁通りのビルは、解体が決まったと伺いました。

尾形さん：そうですね、今まで慣れ親しんできたビルを出なくてはならなくなったことはとても残念です。

地震当日の夜に駆けつけた時は、ここだけ爆撃でも受けたのかと思う程ひどい状態でした。上のタンクが割れて水浸し。ライフラインが全滅。壁も崩れ落ちていました。東日本大震災も2021年2月の福島県沖地震も乗り切ってきたので、まさかここまでなるとは思いませんでした。地震が営業中じゃなかったことが不幸中の幸いです。

あそこは大好きな場所です。これから解体となりますが、またどんな形になるかはわかりませんが、いずれ戻りたい考えもあります。

— この場所はいかがですか。

尾形さん：創業からずっと県庁通りでやってきたので、正直新しい場所での不安はあります。

立地柄、フラっと何かのついでに寄ってくださっていた方や学校帰りに寄ってくださっていた学生さんが多かったのですが、これからは車でしか来にくい場所なので不便さがあるかなと。

またちょっとわかりずらい場所にあるので、迷子になられないか心配もあります。

ですがここ御山ではこれまでなかった駐車スペースもありますし、今はカフェと同時進行で新しくベーグルを始めるための準備も進めています。

また中央に広場のようなスペースがあるので、そこで土日に色々なワークショップやイベントもやる予定です。新たな挑戦を色々と考えています！

— 新生pentonoteへの意気込みをお聞かせください。

これまでと変わらず、人が集まる場所。人を呼べる場所を作っていきたいとの想いでやっています。その為に新たな挑戦も色々としていきます。

文具に興味のない人でも、カフェついでにチラッと文具に触れてもらえたら嬉しいですし、そういう機会を増やしていけたらと考えています！

インターネットで何でも買える便利な時代。だからこそ、何を買うかと同じくらい誰から買うかを大切にしたいと考える今日頃ごろ。福島市内だけではなく他県からもお客様が来る理由がわかります。

これから益々のpentonoteの進化、今後も目が離せませんね！