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アンチエイジングにも期待大。高湯温泉のディープな魅力(後編)
卓越した”温泉力”を科学的に解明
高湯温泉のディープな魅力(前編)はこちら
「じゃらん満足度一位」高湯温泉のディープな魅力(前編)
だいぶ間が空いてしまいましたが、いよいよ高湯温泉のディープな魅力の本質に迫りたいと思います。
記事の前半では、公共浴場「あったか湯」源泉レポートの続きを、後半では高湯温泉の底力がまるわかりのデータをお見せします。ちょっとマニアックな内容ですが、データを見れば、あなたも高湯温泉に「通いたくなる」こと間違いなしですよ。
ところで、先日(2022年1月15日)BSプレミアムの「ゆったり溫泉ひとり旅「冬・東北編」で「最近人気の温泉」として高湯温泉が紹介されていました。じゃらん人気温泉地ランキング2021でも、高湯温泉が3年ぶりに満足度総合1位に選ばれています。全国からの注目度も高い高湯温泉の魅力、ぜひご覧ください。
浴場すぐそばの源泉を見学
前回は高湯温泉観光協会 永山さんの案内で源泉のふたを開けるところまできました。
その後は、2021年9月に観光ノートYouTuberのマキとチヒロが、動画で源泉の一部始終をレポートしてくれています。
無色透明の源泉
源泉からは無色透明の温泉が湧き出ています
二人は源泉から浴槽までお湯を送る湯送管の掃除にチャレンジ!湯送管の中から湯花がたくさん出てきました。
源泉は無色透明なのに、空気に触れたとたん湯花が生まれてくる。とても不思議ですね。
この湯送管の掃除は、各旅館で週に一回行っています。
高湯は「ありのままの温泉」
高湯の源泉は10か所あり、現在使用している源泉は9か所です。今回見せていただいた源泉から、公共浴場「あったか湯」までの距離はたったの60メートル。源泉と温泉の距離が近いことが大きな特徴です。
高湯温泉の主な特徴
・地下から温泉が自然に湧き出しているので、動力でくみ上げる必要がない
・地形を利用して浴槽まで引き湯しているので動力がいらない
・源泉から温泉までの距離が近い
・源泉の温度が約50℃なので加水・加温の必要がない
・全施設が源泉かけ流し
温泉が源泉から浴槽に至るまでの間に、ほとんど手が加えられていないことが分かると思います。
高湯温泉は400年間変わらない方法を守りぬいてきました。そのおかげで私たちは今でも「ありのままの温泉」に入ることができるのです。
高湯温泉の泉質を科学的にアプローチ
それでは高湯の「ありのままの温泉」がいかにすごいのか、科学的なデータを紐解いていきましょう。
高湯温泉では温泉の効能を科学的に証明するため、平成25(2013)年度に実証実験を行いました。
実証実験の内容は、温泉水自体の温泉力を調べる実験のほか、3泊4日プチ湯治モニター、2ヶ月間の通い湯治モニター、計46名の協力のもと、血液採取や肌測定を行い、専門分析機関で検査したもの。湯治後にモニターの体質は改善され、高湯の湯治に効果があることを証明しました。この実証実験は、日本初の温泉学教授として知られる松田忠徳教授が監修しています。
この記事では、実証実験のデータをまとめた高湯温泉の公式ガイドブック「高湯温泉録」に掲載されているデータの一部を紹介しています。
難しい言葉がたくさん出てきますが、なるべく分かりやすいように解説していますので、高湯温泉の効能に興味のある方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
データから見えてきた高湯温泉のキーワードは「還元力」と「活性力」、「抗酸化力」。これらはすべて「アンチエイジング」が期待できる力です。
詳細なデータは高湯温泉録デジタルパンフレットをご覧ください。
キーワード1:高湯の「酸化還元電位」
まずは高湯温泉の底力を明らかにするため、お湯の「酸化還元電位(ORP/Oxidation Reduction Potential)」の値についてご説明します。この調査では、高湯温泉のお湯が「酸化力」と「還元力」のどちらが強いのかがわかります。
ポイント:
「酸化力」とは、物質を錆びさせる力。老化の原因。
「還元力」とは、酸化した物質から、酸素を切り離して元の状態に戻す力。アンチエイジングの力。
ORP値が高ければ「酸化力」が強く、低ければ「還元力」が強くなります。温泉の場合、ORPの値は低いほど優秀。単位はmV(ミリボルト)です。
高湯温泉の主要泉源8本を調べたところ、「酸化還元電位」の値は平均マイナス127mVでした。一般的な水道水はプラス300~700mv程度と言われていますので、高湯は「還元力」の強いお湯と言えます。その品質は国内の温泉の中でも最上位ランクです。
この調査でわかったこと:
高湯温泉のORP値は平均マイナス127mVで「還元力」が強い
キーワード2:高湯の「還元力」と「活性力」
続いて、高湯温泉の「還元力」と「活性力」がどれほどのものかを示す実験のデータをご覧ください。
実験1
①塩素系薬剤を入れた水道水を準備する。
②ペットボトルに詰めて1時間経過した「滝の湯源泉」を混ぜる。
③源泉の還元作用(酸化した水道水の錆をとる能力)を15分毎に計る。
30分後の結果:
水道水だけ→プラス582mv
水道水+滝の湯源泉→マイナス119mv
いかがでしょうか。「酸化力」の強い水道水のORP値が、高湯温泉の「還元力」によって温泉とほぼ同程度の値まで「還元」されてしまいました。
実験2
①水道水を入れたグラス2つの両方に色のついたうがい薬を加える。
②片方のグラスに「滝の湯源泉」を注ぐ。
③ORP値を計り、還元作用をチェックする。
「滝の湯源泉」を注いだグラスの水道水は、瞬時に透明になりました。ORP値はマイナス100mV以下。水道水およびうがい薬中の活性酸素を消去してしまったのです。
高湯と他の温泉との違いは、この「活性力」と言えます。「活性力」の強い温泉に人が浸かると、わずかな成分でも皮膚から浸透し、還元成分が体内に取り込まれます。その成分は血管を通じて全身をめぐり、老化の原因となる活性酸素を抑制してくれるのです。
高湯温泉は全施設が源泉かけ流し。浴槽には常に新鮮なお湯が注がれています。お湯に浸かっている間はこの還元作用がずっと続くのです。
この調査でわかったこと:
高湯の温泉水は「活性力」が強く、わずかな成分でも皮膚から浸透し、全身の活性酸素を抑制してくれる
キーワード3:高湯の「抗酸化力」
次に、高湯温泉の「抗酸化力」を調べた実験をご紹介します。ここでいう「抗酸化力」とは、「高湯温泉のお湯がどれだけ酸化に負けないか」ということです。
実験
①水道水とナチュラルミネラルウォーター、「あったか湯」の温泉水が入った3種類のペットボトルを用意する。
②それぞれボトルの中に釘を入れる。
③ボトルの中の水や釘がどのように酸化するかを観察する。
5日後
水道水とミネラルウォーターで錆が発生。
「あったか湯」の温泉水は変化なし。
1か月目
水道水とミネラルウォーターでボトルの底に錆が付着。
「あったか湯」の温泉水は変化なし。
2か月半後
「あったか湯」の温泉水は変化なし。
ほかにも、松田教授は「高湯温泉録」の中でこのように話されています。
松田教授:
今回、高湯の8本の泉源を調査しましたが、地表に湧出して空気に触れてからも、なかなか酸化されない究極ともいえる温泉の姿でした。
こういった抗酸化力の強い湯は、私たちの体内に入ってからも酸化されにくいため、酸化された体内の細胞を還元するわけです。これが「万病に効く」理由だろうと思います。
この調査でわかったこと:
「抗酸化力」の強い高湯の温泉水は、簡単には酸化されない
調査からわかったことまとめ:
1:高湯の温泉水は、皮膚や酸化してさび付いた体の細胞を修復する力「還元力」が強い
2:高湯の温泉水は「活性力」が強く、わずかな成分でも皮膚から浸透し、全身の活性酸素を抑制してくれる
3:高湯の温泉水は「抗酸化力」が強く、簡単には酸化されない
正しい高湯温泉の入り方
高いアンチエイジング効果が期待できる高湯温泉ですが、入り方には注意が必要です。
入浴する際のポイントをまとめました。
高湯温泉の入浴のポイント
- お湯に長時間浸からないようにしよう
→肌のうるおいを守るため。高湯は硫黄泉なので入浴すると発汗が促されます。長湯すると皮膚のうるおいに必要な皮脂などが流れ出てしまうので短めに。 - 分割入浴をしよう
→短時間の入浴と、浴槽から出て休憩することを繰り返し行いましょう。 - 湯に浸かった後は軽く流そう
→還元系の温泉は温泉成分が天然の石鹸の役割を果たします。あえて体を洗い流す必要はありません。 - 湯上り後、15分程度以内には保湿剤で潤いを保とう
→肌のうるおいを守るため。 - 入浴前後に十分な水分補給をしよう
→代謝がよくなり発汗が促されるため。
高価な薬を入手できなかった時代には、薬の代用とされていた高湯温泉。正しい入浴方法で、心身ともに癒されましょう。
永山さん直伝 高湯温泉の楽しみ方
最後に、永山さんに高湯温泉の楽しみ方をお聞きしました。
永山さん:
高湯温泉は温泉ファンからのお湯の評価が高いので、温泉を愛する方に来てほしいですね。日帰り入浴もいいですが、それだと高湯の魅力の半分も知ることができないかもしれません。一泊、できれば二泊。というのは、温泉療養をするには丸一日の「中日」が大事なのです。二泊すると楽しみ方もいろいろあります。ぜひ、贅沢な時間をお過ごしください。
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